2018年7月26日

空き家の解体をする前に知っておきたい! 費用のポイント

空き家の解体費用は、建物の造りや周辺環境などによって大きく変わってきます。しかし、ご自身でできることを積極的に行うことで、費用をおさえることができます。空き家の解体費用についてポイントをまとめましたので、ぜひ参考になさってください。

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空き家の解体費用がなぜ高くなるのか

空き家解体
空き家の解体費用は建物の場所や規模、構造で異なりますが、建物の状況や周辺環境によっては追加費用が必要となる場合があります。ここでは、空き家の解体費用が高くなるケースをご紹介します。

道路状況が悪いから

一般的に解体工事はショベルカーなどの重機が使用されます。しかし、敷地内外の道路や前の通路が細いと、重機が通れないことがあります。重機が通れないと本来なら機械で行う作業が手作業になり、手間と時間がかかるため工事費が高くなります。

また、建物の前の道路が一方通行で、廃材を積み込むトラックを停めるための道路使用許可申請が難しいと、停車の間は常に警備員を配置することになるので、追加費用が発生することがあります。

敷地に余裕がないから

建物の前の道路が重機が通れるほどの広さがあっても、 家の敷地が狭くて入れない場合は使用できません。重機が公共の道路を行ったり来たりするのは大変危険ですし、がれきが道路に散らばる恐れがあります。

手作業である程度解体を進めてから、重機が運んだり通れるスペースを作ると、全て手作業で行うよりも費用はおさえられますが、手作業がない場合と比べるとやはり費用はかさんでしまいます。

アスベストが使用されているから

築年数が古い建物では、アスベストが使用されている確率が高くなります。
アスベストが吹き付けてある柱や天井などを解体すると、周囲に飛散して近隣の方の健康を害してしまう可能性があります。工事前にはアスベストの有無を必ず調査しましょう。

アスベストは3つのレベルの危険度に分けられ、最も危険だと判断されると建物全体を覆って減圧処理を行うなど、除去方法によっては高額な費用がかかる工事です。木造よりも鉄筋コンクリートのほうがより多く使用されているといわれています。

高額な費用がかかるというと、不安になる方もいらっしゃるかもしれませんが、アスベストの除去作業に対して補助金制度を設けている自治体もあります。アスベスト有りと判断されたら、解体工事をする前に空き家の所在地にある役場に問い合わせてみてください。

自然災害や火災の影響を受けた建物だから

地震や台風などの自然災害で破損や倒壊した空き家の場合、廃材が広範囲に飛散しているケースがあります。廃材は分別して処理しなくてはならないため、普通の建物と比較すると廃材の回収と分別に手間がかかります。

ご自身で廃材の回収と分別を行うと、破損した廃材で怪我をする恐れがあるため、行うときは注意深く作業しなくてはいけません。

また、火災で半壊した空き家は解体作業中に倒壊の危険性があるので、通常の工事よりも慎重に工事を進めると、人件費などの費用が割高になってしまいます。

空き家に荷物が残っているから

空き家の中は家具や家電、カーテンなどが住んでいた時のまま残っていることがあります。残置物を撤去してからでないと解体工事は進めることはできず、処分を行うには費用がかかります。

ご自身で処分を行えば一般ごみとして扱われるため、費用をかなりおさえることができますが、専門業者が処分を行うと産業廃棄物として扱われるため費用が高額になることがあります。

解体業者とは別に、廃品回収業者に処分を依頼することもできますが、一括で依頼する方が安く済むケースが多いようです。料金設定は業者によって異なるため、複数の業者の見積もりを依頼しましょう。

空き家の解体費用相場

費用が高くなる理由が分かっても、解体工事の相場を把握していないと、見積もりを見ても適正価格なのか分かりません。ここでは、解体費用の相場についてご紹介します。

建物の構造ごとの費用は業者や地域によって異なりますが、
木造系の場合1坪あたり25,000~40,000円
鉄骨造の場合30,000~50,000円
鉄筋コンクリート造の場合35,000~70,000円程度

以上の金額が解体費用の相場になります。
解体する建物の延べ床面積を3.3で割ると、おおよその坪数が求められます。
40坪の木造物件を解体する場合、100~400万ほどかかる計算です。

空き家の解体費用を抑えるポイント

空き家の規模や周辺の環境などで費用は変動しますが、業者や解体時期を上手に選ぶことで費用をおさえるだけでなく、工事中のトラブルを未然に防ぐごとにつながります。ご自身ができることをきちんと確認しておきましょう。

解体工事を依頼する時期や季節を考える

梅雨や台風、猛暑や降雪などの時は、解体作業をスムーズに進めることが難しくなります。悪天候が続くと工事を延期せざるを得ず、工事の遅れの原因にもなるためこれらの時期を避ける方が安心です。

また、12月から3月は建設業界の繁忙期に当たり、一般的に多くの業者が大型案件を中心にこなして売り上げ増を目指しています。そのため、通常の相場よりも高く料金が設定されていたり、繁忙期であるために希望のスケジュールでの工事ができないことがあります。

4月以降であれば工事件数が減ってきますので、特別な事情がない限りは閑散期に工事を依頼するのがおすすめです。

解体業者をご自身で見つける

解体工事は専門業者でしか行うことができないため、住宅施工業者に依頼しても下請けとして専門業者に工事を依頼することがあります。
このとき、中間マージンが発生すると解体費用に上乗せされてしまいますので、できるだけ支払わないようにご自身で専門業者に直接依頼しましょう。

業者を選ぶ際は、複数の業者に見積もりを依頼して比較します。あまりに安過ぎる業者では、手抜き工事や違法行為を働いている恐れがあるため、工事費用だけで選んでしまうのは危険です。

業者を選ぶポイントとして、解体工事技士の資格を持つ作業員が在籍している、各都道府県に解体工事業者登録済みであることを確認しましょう。

また、産業廃棄物管理票とも言われる「マニフェスト」の確認も欠かせません。
マニフェストとは、解体工事で発生した産業廃棄物の処分過程を示したもので、5年間の保管義務があります。工事の依頼者はこれを確認する権利があり、記入漏れや押印漏れが無いか確認してみてください。

記入漏れなどがあると不適切に処分された可能性があります。不法投棄などは業者だけではなく依頼者も罰則の対象となることがあるため、罰金などで無駄な支払いを防ぐためにもマニフェストの確認は重要です。

トラブルを起こさないようにする

解体工事は騒音や振動、粉じん飛散などで、近隣住民とのトラブルが発生しやすい工事です。トラブルになると話し合いで解決できることばかりではなく、裁判にまで発展するケースが少なくありません。

裁判となると弁護士費用や慰謝料の支払いといった、予定外の出費が発生してしまうため、未然にトラブルを防ぐことが大切です。
工事の日時をあらかじめ伝えることで、近隣の方は外出するなどの対策をとりやすくなります。

ただし、日時を伝えたからといって、好きな時間に工事を行っていいというわけではなく、早朝や夕方以降は行わないといった配慮も欠かせません。粉じん飛散の起こりやすい工事の時は養生シートで建物を覆い、舞い上がらないように散水を行ってもらえる業者が理想です。

解体工事では近隣トラブルだけでなく、法的手続きを忘れることによるトラブルもあります。解体工事後1ヶ月以内に、建物が無くなったことを登記する滅失登記は、申請を怠ると10万円以下の過料を取られてしまうため、忘れずに手続きを行いましょう。

まとめ

解体費用は空き家の構造や周辺の環境で異なります。それだけでなく、建物の前の道が狭かったり、アスベストが有ると判断されると工事費用が高くなる場合があります。

解体工事を依頼する時期も大切ですが、業者は複数のところから比較検討して選び、トラブルを起こさないように周囲に気を配ることが費用の節約に役立ちます。ご自身でできることはなるべく行い、適正な価格で空き家の解体工事を行いましょう。

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