2018年7月25日

アパートの解体にかかる費用を分かりやすく解説します!

古くなったアパートを解体して更地にする、新しく建て替えたいなど、アパートを所有する方は、何にしても費用をおさえたいのではないでしょうか。ここでは、アパート解体にかかる費用の内訳や目安、安く済ますポイントを解説しています。これから解体を行う方はぜひ参考にしてみてください。

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アパート解体の費用内訳

アパート解体

出典:photoAC

アパートの解体で必要になる費用について説明する前に、工事の大まかな流れについて触れておきます。以下は解体工事の基本的な流れですが、建築物の状態によって作業内容が異なったり、工事期間にも差が出ます。

1.仮設工事

2.屋根の解体、撤去

3.内装材の解体、撤去

4.外壁、付属物の解体撤去

5.基礎の解体、地中埋設物の撤去

6.整地

解体工事は、上記の流れからも分かるように屋根や外壁など建物そのものを解体する「建物解体」と、建物内の内装部分を解体する「内装解体」の2つに分かれています。そして、それぞれ解体工事費、内装工事費が発生します。

それ以外にも、解体工事前の下準備となる仮設工事費、解体後の廃材などを処分する廃棄物処理費およびリサイクル費、整地費、作業員の人件費*も含まれます。

テラス屋根などを撤去は、付属物撤去処分費が追加でかかりますし、ブロック塀、鉄骨階段、ベランダを撤去すると付帯構造物解体撤去処分費が必要になります。

以下は一般的な解体工事の費用内訳です。
業者によっては解体工事費の中に内装工事費が一式として含まれていたり、ご紹介する費目以外のものが設けられていることもあるので、疑問や不明点は業者に確認することが重要になります。

8つの費目について簡単に解説しますので、しっかりと把握しておきましょう。

1.仮設工事費

解体する前に建物の周囲に足場を組み立てて、養生シートを張ります。
養生シートは、防災シートや防音シートなど様々な種類があり、工事場所の周辺環境に応じて適切なものが選ばれます。

養生シートで建物をしっかりと囲むことで、解体時に発生するホコリが周囲に飛散するのを防ぐと共に、騒音防止対策ができます。
1㎡あたり450~1000円前後が相場です。

2.解体工事費

木造、鉄筋といった建物の構造坪数によって工事費が大きく変わります。
重機解体、人力解体でも費用が異なりますが、相場はありますので次項で詳しく説明していきます。この費用の他に、重機回送費などがまとめて計上されていることがあります。

3.内装工事費

窓ガラスや内装の壁、キッチン、トイレ、風呂などの設備を撤去します。これらは基本的に手作業で行われ、廃材の分別作業も並行して行うところが多いようです。時間や手間がかかるため、重機解体に比べ坪単価は高くなります。
内装解体は1坪あたり5000~40,000円です。

4.屋根工事費

古いアパートでは、屋根材に瓦が使用されていることがあります。屋根瓦の撤去も内装工事と同様に手作業で行います。

屋根の広さや瓦の種類によって費用が異なります。アスベストを含む屋根材の場合は、撤去費や産業廃棄物処分費以外にもアスベスト除去工事費が加算されます。

通常の屋根材に比べると、2~5倍ほど高額になることもありますが、アスベスト除去は法律で定められているので安全に処理しなければいけません。
屋根の撤去は1㎡あたり1500~3000円が相場で、アスベスト除去工事をすると20,000~30,000円が別途かかります。

5.廃棄物処理費

解体で出てきた廃材は、国の法律により適正に運搬、処分しなければなりません。
廃棄物処理費は、廃棄物の種類や処理施設で単価が異なります。解体業者とは別に専門の廃棄物処理業者に依頼するという方法もありますが、安価で引き受けて不法投棄するところがあるため注意しましょう。

解体業者が解体から産業廃棄物の運搬、処理までを一通り行ってくれると、産業廃棄物の運搬などを専門業者に委託せずに済むため、その分費用をおさえることができるでしょう。

解体工事を行う際、「産業廃棄物収集運搬業許可」「処分業許可」は必須ではありません。しかし、これらの資格を取得するには、自社で十分な収集車両及び処分施設を持っていることが条件となります。従って、信頼のおける業者を判断する目安といえます。

6.付属物撤去処分費、付帯構造物解体撤去処分費

建物解体以外の撤去もしくは処分にかかる費用が、「付属物撤去処分費」、「付帯構造物解体撤去処分費」です。

・付属物撤去処分費:テラス屋根(アルミ、ポリカーボネート製)撤去処分など

・付帯構造物解体撤処分費:土間コンクリート撤去処分、樹木伐採・伐根処分、フェンス撤去処分、ブロック塀撤去処分など

アスベストがあると判断された場合は、屋根と同様に廃棄物処理費として調査費用、除去費用が加算されます。アスベスト除去工事は国で行うことが義務付けられているため、処理した経験が豊富な業者を選びましょう。

7.人件費

人件費は、「作業員の人数×作業日数」で算出できます。
解体の作業員だけでなく、工事中に交通整理員の配置が必要になった際は、さらに人件費がかさみます。
1人に対して10,000~15,000円が相場です。

8.整地費用

基本的に解体工事後は土地を売買する、または有効活用するため、整地作業を行い敷地をきれいに整えるのが一般的です。
その際、整地に用いる材料で費用が異なります。中でも粗仕上げは、最も簡易的な整地方法のため費用が安く済みます。

駐車場にする場合は、コンクリート舗装、アスファルト舗装を施すなど、用途に合わせて適切な整地材料を選びましょう。

アパート解体の費用相場はいくら?

アパートの解体費用は、戸建て住宅と同様に構造によって異なります。

木造、鉄骨、鉄筋コンクリートのうち、解体費用が1番高くなるのが鉄筋コンクリートです。他の建物と比べると、コンクリートなどの廃棄物が多く出るため、その分処分費や運搬費がかかります。

構造別にかかる費用の相場をご紹介しますので、参考にしてみてください。

木造

・坪単価目安:1坪/2万円~3万円

近年では少なくなってきた木造アパートですが、日本ではまだまだ主流といえる工法です。建築費も鉄骨造や鉄筋コンクリート造に比べると安く、解体に時間がかからないため構造と言えます。

鉄骨

・坪単価目安:1坪/3万円~4万円

鉄骨には、「重量鉄骨造」「軽量鉄骨造」の2種類があります。軽量鉄骨造は細い鉄骨を大量に使用することで強度を出します。一方、重量鉄骨は太く大きな柱や梁を用いることで強度を出します。 2階建てなどのアパートでは、軽量鉄骨造であることが多いようです。

鉄筋コンクリート

・坪単価目安:1坪/4万円~5万円

鉄筋コンクリートは、鉄筋の骨組みにコンクリートを流して施工されるため、強度は鉄骨よりも良いものの、解体に時間がかかるため建築費、解体費が最も高くなります。

補助金を活用すると解体費が安くおさえられる

アパートの解体費用を少しでもおさえたい、と考えるオーナーの方は多くいらっしゃるはずです。費用を抑える手段のひとつとして、各自治体に設けられている補助金を活用するという方法があります。

ただし、補助金制度を設けていない自治体もあります。また補助金の名称、内容および受けられる条件が異なるため、役所などに必ず確認しましょう。

以下の2つの補助金を参考までに簡単にご紹介します。

老朽危険家屋解体撤去補助金

「老朽危険家屋解体撤去補助金」は、長いこと維持や管理されておらず、倒壊の危険がある建築物に対して、解体費用の一部を補助してもらえる給付金です。

補助金を受けるには、各自治体が設けている条件を満たし、審査を通過しなければなりません。補助金の上限額は20~50万円前後です。

建て替え建設費補助金

「建て替え建設費補助金」は、老朽化した集合住宅などのアパートを、設備が整った住居に新しく建て替える際に解体工事費や、建築費用を補助してもらえる給付金です。
耐震性が基準を満たしていない建物、狭い道路に面した古い木造建築などが対象になっています。

「老朽危険家屋解体撤去補助金」同様に解体工事前に申請し、各自治体が設けている条件を満たして審査を通過することで交付されます。

解体業者を賢く選ぶことでコストダウンできる

補助金を利用するだけでなく、きちんと業者もぶことも費用をおさえることにつながります。
最後に、解体業者を選ぶポイントを3つご紹介します。

ポイント1:見積りは最低でも2~3社に依頼して選ぶ

解体工事に限らず、業者に依頼するときは必ず2~3社に見積もり依頼をして、工事金額や工事内容を比較検討してください。1社だけに依頼すると、提示された工事金額や内容が適切なものなのか判断することができません。

業者の選定において、複数の業者に見積り依頼する=相見積もりを行うことは必須です。 相見積りを行うことで、業者同士で価格競争をしてくれることがありますが、あまりに安価な業者は工事の内容や質が悪いことがあるので気をつけましょう。

解体工事費が安くてもそれを鵜呑みにするのではなく、見積書に記載されている項目にしっかりと目を通し、不明点や追加費用の有無などを確認することが大切です。

ポイント2:アパートの解体を多く手掛けている業者を選ぶ

解体業者といっても、戸建て住宅、あるいはマンションなどの集合住宅の解体を専門にしているところと様々です。

そのため、アパートの解体を多く手掛けている業者を選ぶ方が、経験が豊富のため見積もり金額も相場と大きくかけ離れることが少ないでしょう。 これまでの経験から無駄のない作業内容、適切な工事金額を提示してくれるはずです。

ポイント3:自社で施工している業者を選ぶ

依頼する業者が、自社で工事を行っているかも重視すべきポイントです。現地調査、足場設置、解体工事、施工後の掃除など自社ですべて行う業者であれば、全ての工程を安心して任せることができます。

複数の下請け業者が関わると、中間マージンが発生することにより、費用も割高になるケースがあります。

まとめ

アパートの解体工事は、戸建て住宅の解体工事と基本的な流れはほぼ同じです。 また、建築物にアスベストが含まれていると、別途調査費や処分運搬費が加算されるため、思っていた以上に費用がかかることがあります。

解体するアパートの構造や規模によって坪単価が異なるため、一概に解体費用が〇〇円とは言い切れません。詳しい金額は現地調査を行い、見積もりをしてもらって初めて分かります。

見積書に記載されている工事内容や、金額が適切かどうかを判断するのに役立つのが、相見積りです。複数の業者から見積もりを取ることは、どんな工事でも行われていることです。施主は、工事金額の安さだけで業者を決めるのではなく、工事内容もしっかりと確認しましょう。

アパート解体は高額になることがありますが、費用をご自身で用意するのが難しいときは、各自治体に設けられている補助金を利用することでいくらか費用がおさえられます。まずはお住まいの自治体に問い合わせてみてください。

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