点検の重要性
普段、当たり前のように使っている給湯器も寿命や故障などにより突然、使えなくなってしまうことがあります。 家事や洗面など、毎日の生活に欠かすことのできない給湯設備に不具合が起きてしまうととても困りますよね。
誰もがこのような事態は起きてほしくないと思うことですが、給湯器も機械です。 使い続けていくうちに、必ず一度は起こりうるものだと心得ておかなければなりません。 そこで給湯器の不具合や異変にいち早く気づくことができ、安全に使用するために欠かせないのが点検です。
点検には「自分でできる点検」、業者が行う「定期点検」、「法定点検」の3種類があります。いずれも給湯器を使用する際には、必ず行うべき大切な点検です。 稼働時に何も異常がないからといって給湯器の点検を怠ってしまうと、修理に時間を要したり、やむを得ず機器自体を交換しなければならなくなることがあります。 また火災、ガス漏れ、不完全燃焼による一酸化炭素の発生など、人の命に関わる大きな事故を招いてしまう恐れもあります。
従って、給湯器の点検は稼働時に何も異常がない状態であっても、定期的に行うことが大切です。 そうすることで、修理や交換の必要がある場合もスムーズに対処でき、大事故につながる不具合も早い段階で食い止めることができます。
給湯器の耐用年数(寿命)
給湯器の耐用年数は、使用頻度や設置環境などにより多少の差はあるものの、一般的には10~15年と言われています。
この辺りから、徐々に給湯器内部の部品の経年劣化や基盤の故障による不具合が現れてきます。 10年を過ぎても修理をすれば、使用できることもありますが、各メーカーでは製造から10年以上経過した給湯器の部品は、取り扱っていないところがほとんどです。 そのため、修理をしたくても必要な部品が揃わず、やむを得ず給湯器を交換することになるケースが多いです。
そして耐用年数が経過しているものは、たとえ修理ができたとしても再び故障してしまう可能性が高くなることも心得ておきましょう。
自分でできる点検
給湯器の点検は、専門業者に依頼をしなければできないと思っていませんか? もちろん、専門的な知識や技術を要する点検も必要です。しかし、冒頭でもご紹介したように、一般のご家庭で行える簡単な点検もあります。 むしろ、日常的に行う点検こそが給湯器の大きなトラブルや事故を回避してくれることもあるくらい、重要なものだと認識しておきましょう。
自分でできる点検方法は、主に目視や聴音などによる異常の有無確認です。 日常的に点検を行い給湯器のちょっとした異変を見つけておくと、修理を依頼するときも焦らずに対応することができます。
以下に主な点検項目を挙げていますので、必ず定期的にメンテナンスを行いましょう。 もしその時、異常が見られたら、すぐに業者に点検を依頼して下さい。
【点検項目】
- 給湯器の給排気口にほこりが溜まっていないか、異物が入っていないか、すすで黒くなっていないか
- 運転中に大きな振動音や「ピー」または「キーン」というような異音がしないか
- 給湯器から水や油が漏れていないか
- ガス漏れなど異臭がしないか
- 給湯器から焦げ臭いにおいや煙が出ていないか
- 給湯器周辺に燃えやすいものがないか
- 温度設定がきちんとでき、給湯温度が正常であるか
- 給湯器本体の表面が錆びていないか(表面が錆びていると、内部の部品も錆びている可能性があり故障の原因になります)
法定点検とは
次に「法定点検」について詳しく説明します。
自動車を運転する方は、年に一度、法令で定められた点検や整備を行う「法定12ヶ月点検」を受けていらっしゃるはずです。実は、電化製品など特定の生活用製品にも同じように「法定点検」が設けられています。
これは平成21年に定められた比較的新しい制度ですが、「特定保守製品」9品目に該当する製品を購入して使用するためには、必ず「長期使用商品安全点検制度」に基づいた「法定点検」を受ける義務があります。 この点検は、長期間の使用に伴う経年劣化により、安全上に支障が生じ、消費者の生命や身体に対して特に重大な危害を及ぼす恐れが多いと認められた製品に定められているものです。
これらの製品を購入した場合は、販売事業者から法定点検制度に関する説明を受けます。その後、所有者登録をするための「所有者票」を受け取り、郵送またはインターネットで情報を登録します。 法定点検の6ヶ月前になると、点検通知書が郵送または電子メールで届きますので、きちんと確認して点検の申し込みをしましょう。
特定保守製品には次のような製品が含まれます。 法施工前(平成21年以前)に購入された製品を10年以上使用されている場合も、速やかに法定点検を行って下さい。
【特定保守製品】
- 屋内式 都市ガス用瞬間湯沸し器
- 屋内式 液化石油ガス用瞬間湯沸し器(プロパンガス用)
- 屋内式 都市ガス用ふろがま
- 屋内式 液化石油ガス用ふろがま(プロパンガス用)
- 石油給湯器
- 石油ふろがま
- 密閉燃焼式 石油温風暖房機
- ビルトイン式電気食器洗機
- 浴室用電気乾燥機
業者に点検を依頼するときのポイント
業者や各メーカーに定期点検、法定点検を依頼するときのポイントは以下の6つです。
- 不具合がある場合は、まずは取扱説明書を見て自分で対処してみる 対処後も不具合が改善しない場合は業者に連絡をする
- 製品名、製品番号を控えておく
- 不具合がある場合は、その症状を具体的にまとめておく
- 「法定点検」は給湯器の購入先(メーカー)に依頼する
- 業者、メーカーによって技術料や出張料金は異なる
- 点検日は、立ち会いが可能な日を選ぶ
給湯器に何かしらの不具合が現れたら、まずは「取扱説明書」を見ながら自分で対処してみましょう。場合によっては不具合が直ることもありますが、処置を試みても改善しない場合は業者に連絡をして状態を確認してもらって下さい。 その際、給湯器本体に貼り付けてある「製品名・製品番号」を控えておくとスムーズに依頼ができます。
そして給湯器の不具合の症状を具体的に伝えることも大切です。業者や各メーカーにできるだけ詳しい情報を提供しましょう。
基本的に「法定点検」は、所有者登録を行った給湯器の購入先(メーカー)に依頼します。 各メーカーには「特定保守製品」の法定点検に関する問い合わせ窓口がありますので、そちらに連絡をして下さい。
法定点検、定期点検は基本的に有料で、業者やメーカーによって技術料や出張料などの料金は異なります。ホームページなどで事前に確認したり、直接問い合わせておくと安心です。 また点検は、依頼者と立ち会いのもとで行うことが原則となっているため、必ず立ち会いができる日を指定しておきましょう。
※特定製造事業者及びその他の事業者の一覧です。点検依頼時などにご参考ください。
参考:一般社団法人 日本ガス石油機器工業会 / 長期使用製品安全点検制度に関する 各社問合せ先
給湯器の点検詐欺に注意!
給湯器の販売業者のなかには、点検詐欺を行う悪質な業者も存在します。適当に点検をして高額の点検料を請求されることもありますので、注意が必要です。 そんな業者に騙されないために、必要な知識をご紹介します。
悪質な業者を見極めるポイント
以下のような業者は悪質な業者である可能性が高いです。しっかりと見極めることが大切です。
- 点検を依頼していないのに「無料で点検します」と訪問してくる
- 「近所の人も点検をしました」と強調する
- 点検員が「認定証」を提示してくれない
基本的に、点検はこちらが依頼しなければ、業者が勝手に点検をしに来ることはありません。
「給湯器を無料で点検します」と急に訪問してきて「近所の人も点検をしましたよ」と言ってくる業者はまず、怪しい業者であると疑って下さい。 そして点検を行う業者は必ず、点検員が認定証を提示することが義務付けられています。 もし認定証を提示してくれない場合は、悪質な業者だと判断し、毅然とした態度で点検を断って下さい。
また、派遣元を確認して、その場で直接電話連絡をするという方法をとることもできますから、焦らずに落ち着いて対応しましょう。
まとめ
ガス給湯器や石油給湯器は、給湯器の事故を防ぎ、安全に使用するために「長期使用商品安全点検制度」に基づいた「法定点検」を必ず受ける義務があります。
そして突然起きてしまう故障に備えて、自分で定期的に点検を行っておくことも大切です。常日頃から各ご家庭で目視や聴音などによる点検も行っておくと、給湯器の異変にも気づきやすく、大きな事故や故障を回避することにもつながります。
給湯器の「法定点検」、「定期点検」は、給湯機を安全に安心して使用するために欠かせない重要なものであると認識し、しっかりと点検を行って下さい。
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