2017年11月27日

ガス給湯器の安全装置が作動したときに確認すべきこと

毎日使用するガス給湯器には、安全に運転するための重要な機能のひとつに安全装置といわれるものがあります。安全装置は危険を事前に察知して、大きなトラブルになる前にガス給湯器を止めてくれます。ところが、実際に安全装置が作動するとどうしていいのか分からない、という方も多いと思いますので、安全装置が作動したときにすべきことについてご紹介します。

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安全装置とは

出典:photo-ac

ガス給湯器はガスに火を着けて、その熱で水をお湯にする機器です。普段は何気なく使っていますが、ガスも火も決して安全なものではありません。ガスそのものは人体にとって有害ですし、火は火傷や火事の原因にもなります。このため、取り扱いを間違えると大きなトラブルにつながってしまいます。

古いガス給湯器にはこのような安全装置が設置されていなかったために、不完全燃焼によって一酸化炭素中毒などを引き起こしています。安全装置は、そのような大きなトラブルを未然に防ぐために設置されています。

  1. ガス給湯器内のセンサーが異常を検知
  2. ガスの供給を遮断
  3. ガス給湯器内での燃焼停止

これが安全装置が作動するときの流れですが、ガス給湯器内にはいくつもの安全装置が設置されています。どのような種類の安全装置があり、それぞれがどのような役割を担っているのかについて次項で見ていきましょう。

安全装置の種類とぞれぞれ役割を解説

それでは実際にどのような安全装置が、ガス給湯器内に設置されているのかについて見ていきましょう。

不完全燃焼防止装置

ガス給湯器内の2ヶ所で温度を計測し、そこで発生する温度差の変化によって、不完全燃焼を事前に感知します。 不完全燃焼が発生している可能性がある場合には、ガスの供給を遮断して、ガス給湯器を停止させます。

立ち消え安全装置

立ち消え安全装置は、何らかの理由でガスの供給が止まってしまったりして、ガス給湯器内の火が消えてしまったときに、ガスの供給を自動的に遮断する安全装置です。 この安全装置により、火が着いていないのにガスの供給が続くという状態を回避できます。

空焚き安全装置

ガス給湯器内に水が供給されていない状態で運転すると、熱交換器をずっと加熱しているような状態になります。その状態が続くと火災が発生する可能性があります。このため、空焚き安全装置は空焚き状態になっていることを検知して、ガス給湯器を停止させます。

過熱防止装置

過熱防止装置は、熱交換器やガス給湯器全体の温度が上がりすぎていないかをチェックします。 温度が上がり過ぎていた場合にはガスの供給をストップし、ガス給湯器を停止させます。

過電流防止装置

ガス給湯器内は電気によって火花を発生させます。このため、電気が正しく流れていないと安全な着火ができなくなってしまいます。過電流防止装置は電流を計測し、異常な電気が流れたときにガス給湯器の電源を落とします。

凍結防止装置

他の安全装置は、異常を検知したときにガス給湯器を停止させますが、凍結防止装置は異常を検知するとヒーターを作動させます。ヒーターで配管などを温めて、ガス給湯器内に残っている水が凍結するのを防止し、配管の破裂などの機器故障を未然に防ぎます。

停電時安全装置

ガス給湯器を使用中に停電が発生したら、温度管理などが出来ない状態で加熱が行われますのでとても危険です。このため、ガス給湯器は停電を完治するとガスが止まるような安全装置を設置しています。

ガス給湯器の安全装置が作動する原因

どのような安全装置があるのか分かったところで、「実際に安全装置が作動するのはどのようなときなのか」その原因についてご紹介します。

通常使用をしているときに、安全装置が作動するようなことはまずありません。安全装置が作動するのは、ガス給湯器の老朽化もしくは、長時間の連続使用のいずれかに原因があることがほとんどです。それぞれの原因についてもう少し詳しく見ていきましょう。

ガス給湯器の老朽化

ガス給湯器はその寿命が8~10年と言われています。これくらいの期間が経過すると水配管もガス配管もボロボロの状態になってしまいます。 さらにパッキンなども老朽化して、いたるところで水漏れやガス漏れなどの可能性が広がります。

そのような箇所でトラブルが発生すると、すぐに安全装置が作動します。 老朽化によって安全装置が作動した場合には、修理をしてもすぐにまた故障する可能性があります。 このため、購入から8年くらい経過している場合には、修理よりも買い替えがおすすめです。

長時間の連続使用

ガスメーターによっては、連続使用するとガスの供給がストップすることがあります。ガスメーターにもよりますが、おおよそ60分程度で自動的に遮断されます。このときガス給湯器にはガスが流れなくなってしまうため、安全装置が作動してしまうことがあります。

ガスの連続使用は1時間以内に収まるようにしましょう。続けてシャワーを浴びるような場合には、シャワーを止めることで、ガスの遮断を防止できます。水道代の節約にもなりますので、お湯を出しっぱなしにするのではなく、必要なときだけお湯を使うようにしましょう。

ガス給湯器の安全装置が作動したときの対処方法をご紹介

安全装置が作動してしまうと、ついつい焦って自分でなんとかしたくなりますが、安全性を考えると専門の業者にチェックしてもらうのが一番です。ここでは、安全装置が作動してしまったときに、どのような流れで対応すべきかについてご紹介します。

まずは換気をする

ガス給湯器が室内にある場合には、まず窓を開けて換気をしてください。安全装置が作動したということは、不完全燃焼による一酸化炭素が発生している可能性があります。このガスは人体にとって有害なガスですので、換気をして室内の空気を入れ替えてください。

このとき注意してもらいたいのは、換気扇を回さないということです。どうしてもすぐに換気をしたくなりますので、換気扇のスイッチを入れがちですが、ガスが漏れているような状態で、電気機器を使用するのは火災の原因となりとても危険です。換気扇に限らず、完全に換気ができるまでは電気機器の使用は控えてください。

メーカーのカスタマーセンターに連絡する

換気ができたら、メーカーのカスタマーセンターに連絡しましょう。すぐに対応してもらえないかもしれないという不安から、ついつい自分でいろいろといじってしまいたくなりますが、それが余計な故障を引き起こす可能性があります。

事故などを起こさないためにも、必ずカスタマーセンターに連絡をしてください。 その際に、どのような状況で安全装置が起動したのかを、できるだけ詳しく伝えてください。 状況がはっきりしているとメーカー側も素早い対応ができます。

安全装置が作動してしまうと、メーカーでないと修理ができません。 ガス屋さんでも直せないことがありますので、必ずメーカーに連絡してください。

絶対にやってはいけないこと

ガス給湯器の安全装置が作動したときに、絶対にやってはいけないことはあります。それが再点火です。最新のガス給湯器の場合は、安全装置が作動してインターロックがかかった時点で、再点火できません。ところやメーカーや製造年度によっては再点火できるものもあります。

このようなガス給湯器は再点火が可能なだけで、再点火をしてもいいということではありません。着火すると、ガス給湯器の内部にたまった一酸化炭素に引火して爆発する恐れがあります。まずは、メーカーに連絡をして安全な対処方法を確認してください。

異常時の見分け方

ここまでは、安全装置が作動したときの対処について説明しましたが、実は安全装置が動く前にある程度の異常は自分で確認することができます。どのようにして異常を見分けるのか、その方法についてご紹介します。

使用中によく火が消える

ガス給湯器の火が消えるのは、ガスが上手に供給できていない可能性があります。センサーが汚れているだけということも考えられますが、基本的にはガス給湯器の老朽化が進んでいるときによく見られる現象です。

使用中に何度も火が消えるようなことが続くようであれば、ガス給湯器の寿命が近い可能性があります。購入してまだそれほど時間が経っていないのであれば、すぐにメーカーに問い合わせをして、8年以上使っているのであれば交換を検討しましょう。

炎の色が青くない

ガス給湯器できちんと燃焼できていると、炎の色は青くなります。赤い炎や黄色い炎は不完全燃焼をしていますので、いずれ安全装置が作動してしまいます。 すぐに青い炎に戻ればいいのですが、頻繁に違う色になっている場合は、排気口や給気口の掃除をしてください。

排気と吸気がうまく出来ていない場合には、不完全燃焼が発生しやすくなります。まずはその部分をきれいにして、それでも炎の色が安定しないようであればカスタマーセンターに連絡しましょう。

使用時にガスの臭いがする

ガスの臭いがするというのは、ガス漏れを起こしている可能性があります。ガスが漏れたことによって、適切な量のガスを給湯器内に送り込むことができず、安全装置が作動する可能性があります。

放置していると引火して火事になる可能性があります。そのまえに安全装置が起動してくれるはずですが、それはそれで大変だということはここまでの説明で理解しているかと思います。 これまでにないガスの臭いがしたら、使用を停止してメーカーもしくはガス給湯器を設置してくれた業者に相談しましょう。

まとめ

ガス給湯器は安全に使用できるようにと、メーカーが安全装置をつけています。簡単なトラブルの場合は、操作パネルに警告を出すだけですが、不完全燃焼のような危険な状態が発生すると安全装置を起動させます。メーカーによってはインターロックを起動させて、一切の動作ができなくなることもあります。

そのようなときには、自分でなんとかしようとするのではなく、すぐメーカーのカスタマーセンターに問い合わせをしてください。インターロックが掛かってしまった場合には、メーカーでないと解除できない構造になっています。急いで直したい気持ちはわかりますが、安全のためにも再点火せずに必ずメーカーに修理してもらいましょう。

また、安全装置が作動する前に、異常を発見することも可能です。ここで紹介した内容も含め、ちょっとでもおかしいなと感じることがあったら、すぐにメーカーか取り付けを行ってくれた施工業者に相談しましょう。

ただし、8年以上使っているガス給湯器の場合は、寿命を迎えている可能性があります。修理をしてもすぐに別の箇所が壊れてしまう可能性がありますので、老朽化が進んでいる場合は、新しいものに買い換えることも検討してください。

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監修者:

渡邊 一伸(ナベさん)

大工歴35年。大手ハウスメーカーで2年間現場監督に従事。3000棟以上のリフォーム・住宅修理の工事管理の実績をもつ。阪神淡路大震災においては1年間復興財団に奔走。その後、独立し、会社を10年経営。2016年に1月に株式会社ローカルワークスに入社。