サイディング塗装を行う目的
まず、サイディングについて簡単に説明しますと、住宅の外壁に使用されている板状になった外壁材のことです。
サイディングの耐用年数は、大体20~30年といわれています。ただし、外壁は雨風や紫外線に毎日晒されているため、月日が経つにつれて少しずつ劣化していきます。その間何もせずに放置していると、建物自体に様々な影響を及ぼし、大規模な修繕工事が必要になることがあります。
サイディング塗装をこまめに行うと外壁の劣化を抑えることにつながります。 この記事では、サイディング塗装に使用できる塗料の種類や特徴、費用相場、サイディングの種類、DIYのポイントについて解説していますので、施工を考えている方は参考にしてみてください。
サイディング塗装を行う目安
外壁サイディングの塗装面は、紫外線や雨水・ほこりなどにより劣化が進んでいきます。そのため、サイディングに施された塗装の目安は5~10年といわれています。
以下のような症状が見られる場合は、サイディング塗装もしくは修理・補修工事を行ってください。
- シーリングの劣化
- チョーキングが発生している
- カビやコケが落ちない
- ヒビ割れ、塗料が剥がれがある
塗装表面に褐色(チョーキング)・カビなどの頑固な汚れ・塗料の塗膜に亀裂や剥離が発生した場合が、サイディング塗装を行う目安です。塗料の塗膜が劣化してしまうと防水効果が薄れるため、外壁の吸水性が増してサイディングが変形したり割れる原因になります。
それでは、サイディングで起こる劣化の症状についてご紹介します。
コーキング(シーリング)の劣化
そもそもコーキングとは、サイディングとサイディングのすき間に目地材を充填し、建物の気密性や防水性を高める工事のことです。
コーキングの打ち直しは、ご自身でコーキング剤(充填剤)を買ってDIYで行うことも可能です。ただし、劣化した箇所が高所にある場合、綺麗に補修したい方は専門の業者に依頼するほうが無難でしょう。
チョーキング
写真のように触れると指先に白い粉がつく状態が、「チョーキング現象」と呼ばれる劣化の兆候です。 紫外線や雨風などの影響により、サイディング塗装の耐久性が弱まっている状態のときに起こります。
チョーキングが発生したということは、現在の塗装には建物を守る力がなくなってきていることを示しているため、早めにサイディング塗装を行わなくてはいけません。
カビやコケ
上記の「チョーキング現象」を放置してしまうと、サイディング塗装の防水性がどんどん低くなっていきますが、コケやカビの発生要因は「湿気」です。
防水性が低くなると湿気が溜まっていきますので、コケやカビの発生が塗装の劣化を判断できる材料のひとつといえます。
大抵のカビやコケは、サイディングをブラシでこすったり高圧洗浄機を使用すれば落とすことができますが、時間が経っているとご自身で落とせなくなってきます。落とせないときや汚れの範囲が広いときは業者に依頼しましょう。
ヒビ割れや剥がれ
外壁は雨に濡れて、乾燥して繰り返すことで塗装の表面が徐々に劣化し、ひびが入ったり塗料が剥がれることがあります。さらに、塗料の劣化ではなく地震などでサイディング自体にひびが入ることもあります。
0.3mm以内の小さなヒビであれば急いで処理する必要はありませんが、劣化の症状がひどいときは、ひび割れた部分から雨水が壁の中に侵入する可能性があるので、できるだけ早く補修をしてください。
外壁の修理・補修の費用や劣化の症状については、下記の記事でより詳しく説明していますので、参考までにご覧ください。
外壁の修理・補修の工事方法と業者選びのポイント
サイディング塗装に使用できる塗料
塗料にはアクリル樹脂系・ウレタン樹脂系・シリコン樹脂系・フッ素樹脂系などが様々なものがありますが、サイディング塗装には防水性、耐久性が高い塗料がおすすめです。
ここでは、それぞれの耐用年数や価格、特徴をご紹介します。
アクリル系塗料
耐用年数……5〜8年
1㎡あたりの価格……1400〜1600円
価格は安価で色の種類も豊富だが、サイディング塗装に使用する塗料としては耐用年数が短いため、メンテナンス周期が短く頻繁に行わないといけないのが欠点ウレタン系塗料
耐用年数……7〜10年
1㎡あたりの価格……1700〜2200円
値段も手ごろで密着性が高い塗料のため、以前はよくサイディング塗装に使用されていた。しかし、シリコン系と比べると少しグレードが落ちるだけでなく、汚れに強くないため長期間の効果はあまり期待できないシリコン系塗料
耐用年数……10〜15年
1㎡あたりの価格……2300〜3000円
現在、サイディング塗装で一番使用されている塗料。価格と耐用年数のバランスが非常に良いが、20年たたずにメンテンナスを行わなければいけないフッ素系塗料
耐用年数……15〜20年
1㎡あたりの価格……3800〜4800円
一般的に高級塗料といわれているが、耐候性、耐薬品性に優れている。耐用年数が長いためサイディング塗装のトータルコストを考えるとお得光触媒系
耐用年数……15〜20年
1㎡あたりの価格……3500〜5500円
風や雨の力で外壁の汚れを落とす、セルフクリーニング機能が備わっている塗料。耐用年数も長く環境に優しい塗料で、こまめなメンテンナスを省くことができる無機塗料
耐用年数……15〜25年
1㎡あたりの価格……4500〜5500円
変色がしにくく撥水性と不燃性に富んでいる高機能な塗料。塗料の中ではもっとも耐久性が高いといわれている
塗料は種類も多く、特徴や価格に差があるので迷われると思いますが、そんなときは下記のリフォマ外壁塗装判断をご利用ください。
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サイディング塗装の注意点
サイディング塗装で注意すべきことは、建物の状態によっては塗装できないことがあるという点です。
汚れや傷が目立つサイディング、表面に特殊な加工を施しているサイディングは塗装の効果が出にくいため向いていません。
まずは、サイディングの種類別に注意点をお教えします。
窯業系サイディングはデザインの良さが特徴のひとつです。そのため、色のある塗料を上から塗ってしまうと、本来のデザインの良さが生かせなくなりますので注意してください。
金属サイディングは金属でできているので、化学反応を起こさないシリコン樹脂塗料などを使用してください。
木質系サイディングは下地の影響を受けやすいので、塗装に異常が見られたときは早めにメンテナンスしてください。
樹脂系サイディングは紫外線に弱いので、UV効果がない塗料を使用すると劣化が早まってしまいます。
塗料に関しては、初回のメンテンナスに使用した塗料と違う塗料を使用すると、密着性が弱まりすぐに塗料がすぐに剥がれてしまうことがあります。
さらに、サイディングは表面が高温になりやすいため、弾性塗料はおすすめできません。弾性塗料の塗膜は熱で変化しやすく、膨れや剥がれの原因になるからです。
塗料の種類は非常に多く、外壁の劣化は壁の内部にまで及んでいることがあります。サイディング塗装できるかどうかご自身で判断できない場合は、一度業者に相談してみましょう。
ちなみに外壁の状態がひどいときは塗装をしてもあまり効果がないため、サイディングの張替えを行うことになります。
サイディング塗装の施工方法
サイディング塗装は、ただ建物の外壁にペンキを塗りつけるという作業ではなく、工事には多くの工程があります。
以下はサイディング塗装の大まかな工事の流れです
足場の設置
↓
外壁を高圧洗浄機で洗浄
↓
養生シート設置(劣化がひどいときは外壁の下地処理を行う)
↓
塗装(下塗り、中塗り、上塗り)
↓
完成
塗装を3回行う理由は、塗料の密着性を高めるためです。下塗りを行わないと塗料がすぐに剥がれてきてしまいますし、中塗りをすることで上塗りが剥げても粗が目立たなくなります。
外壁塗装の工事の流れに関しては、下記の記事で詳しく説明しています。
外壁塗装の坪数ごとの費用相場は?塗装工事をする時に必要な知識が丸わかり!
サイディング塗装以外の施工方法
サイディングのリフォームには、塗装の他に「張替え工法」、「カバー工法」という2つの方法があります。
カバー工法は、既存のサイディングを解体・撤去する必要がないため、工事の費用と施工期間を抑えられる工事方法です。
また、施工期間も張替えでは約1カ月程度かかりますが、カバー工法では半分の2週間前後でリフォームできるため、人件費等の面でもコストを抑えられます。 カバー工法は外壁を重ねるため厚みが増し、断熱性を向上させるので冷暖房費を削減できるといわれています。
一方で、張替え工法は、既存のサイディングを撤去して新たな外壁材を設置する方法です。撤去するため工期に時間がかかるだけでなく費用もかかりますが、建物の重さが変わらないため耐震性を維持することができます。
外壁サイディングの張替え・補修の費用については、下記の記事で詳しく説明していますので参考までにご覧ください。
外壁サイディングの種類と価格は?メンテナンスやリフォームの注意点を解説
サイディング塗装の費用相場
サイディング費用相場
サイディング塗装
80万~150万円
サイディング重ね張り
150万〜200万円
サイディング張替え
200万〜300万円
サイディング塗装の費用相場、80万~150万円といわれています。
費用の差が倍以上ある理由に関しては、塗装する建物の面積はもちろんのこと使用する塗料の価格に差があるためです。
先ほど説明しますが、サイディングのリフォーム方法は塗装だけでなく張替えや重ね張りという方法もあります。
30坪の2階建てで全面張替えるを行う場合、30坪の2階建て一軒家(200㎡)×窯業系サイディング(4000円~6000円)=80万~120万円となります。
上記は建材費だけの価格ですので、実際は足場設置代や養生シートなどの工事費用、既存のサイディングを撤去、処分する費用なども加わるため200万円以上になることも珍しくありません。
サイディング塗装では、建材費と撤去・処分費はかからないため比較的安く済ますことができます。
外壁サイディングの塗装費用を安くする方法
張替えや重ね張りと比べると、サイディング塗装の費用は安く済みますが、それでも高額な費用がかかることに変わりありません。ここでは、少しでも費用を安く抑えるための方法をご紹介します。
- ポイント1 こまめに外壁のチェックを行う
サイディングや塗料だけでなく建物には耐用年数があります。外壁の耐用年数が過ぎると、ひびが入ったり雨水が室内に入り込むなどの様々な不具合が発生します。
大規模な工事になるほど当然費用は高額になりますので、こまめに外壁の状態をチェックすることで大規模な工事を行わずに済むだけでなく、建物の安全も保つことができます。
下記は一般的なサイディングのメンテナンスのスケジュールです。これはあくまでも目安ですので、日常的な点検や専門業者による定期的な点検もあわせて参考にしてみてください。
ポイント2 塗料のランニングコストを考える
塗料は多くの種類があるだけでなく、耐久性や耐久性が良いものほど高価格になり初期投資はかかってしまいます。しかし、長期的な事を考えてランニングコストを視野に入れ塗料を選んでおくと、結果的には費用を抑えることにつながります。ポイント3 火災保険や補助金制度を利用する
火災保険は台風などの自然災害の場合に保険金が支払われます。あくまで自然災害が原因で起こった被害のみ支払われるものですので、耐用年数がきてサイディングが劣化した場合は対象外です。
火災保険を見込んで契約したら、保険金がおりなかったということにならないように、保険金がおりることを確認してから業者と契約しましょう。
補助金制度は火災保険よりも審査が厳密で、市区町村によって条件が異なるので注意してください。詳細が知りたい場合は、市区町村のホームページや区役所に行って確認するのが確実です。
また、補助金制度には枠が定められていることが多く、早く申請しないと枠が埋まってしまうことがあります。
サイディング塗装をDIYで行うときのポイント
サイディング塗装は外壁の劣化具合にもよりますが、建物の全面を塗装することが多いため必然的に足場での作業をすることになります。 足場はホームセンターなどで揃えてご自身で設置することもできますが、安全性が保証できないため業者に設置してもらいましょう。
業者の中には足場をレンタルとして設置くれるところもあります。
また、足場の板は見た目の通りかなり狭いため、高所での塗装を行うときは細心の注意を払ってください。DIYの道具で足を滑らせて転落し、お亡くなりになった方も決して少なくありません。
サイディング塗装をDIYで行うと、業者に依頼するよりも安価にできますし、ご自身の好きな時間に行うことが可能です。さらに、塗装を終えたときの達成感も大きなメリットといえます。
しかし、サイディング塗装などの外壁リフォームをDIYで行うと、様々なデメリットが発生します。下記の記事ではその理由を説明していますので、興味がある方はご参照ください。
外壁リフォームのDIYには5つのデメリットがある
サイディング塗装を依頼すべき業者
サイディング塗装を業者に依頼するとなったとき、どんなところに依頼すれば良いのでしょうか。サイディング塗装は80万~150万円程度かかる工事ですので、業者の施工が悪かったのでもう一度別の業者に依頼する、というのは絶対に避けたいですよね。
- 塗装の経験が豊富な業者
- 真摯に対応してくれる業者
- 見積もりが安すぎない業者
上記の3つが依頼すべき業者を見極めるポイントです。
塗装職人は特に資格がないため、誰でも行うことができます。経験が浅い方が行うと仕上がりも微妙だったり、施工不良を起こす可能性があります。経験を計るのは難しいことですが、会社のHPに外壁塗装の施工事例が多く掲載されている、創業年数が長いところに依頼するのが良いでしょう。
サイディング塗装だけでなく、リフォーム工事は専門用語が多く分からないことが多いと思います。分からないことを業者に質問したとき、濁されたり適当な返答してくる業者では実際の施工も不安になります。質問に対してしっかり答えてくれる業者、親身になってくれる業者が理想です。
サイディング塗装は高額な費用がかかる工事のため、複数の会社で相見積もりをすると安い業者に依頼したくなると思います。しかし、あまりに安すぎる業者というのは安価な塗料を使用したり、3回塗装するところを2回しか行わないなどの手抜き工事をされる恐れがあります。
サイディング塗装の施工事例
それでは、最後にリフォマの加盟店が実際に行ったサイディング塗装の施工事例をご紹介します。費用だけでなく、使用した塗料や外観の変化も参考にしてみてください。
玄関周りサイディングデザインそのままにクリア塗装
- BEFORE
- AFTER
大田原市 サイディング外壁塗装 ダブルトーン
- BEFORE
- AFTER
足利市 サイディング外壁塗装 会社事務所 車庫塗装
- BEFORE
- AFTER
まとめ
サイディングは紫外線を浴びたり雨風に晒されているため、月日が経つとヒビ割れを起こしたりコケが生えるなど様々な劣化が発生します。塗装を行うことで外壁を劣化するのを防ぐだけでなく、建物の美観が保たれます。
また、サイディング塗装はメンテナンス周期が短いため、大規模な修繕を行う前に劣化に気づくことができます。 サイディング塗装に使用される塗料の種類は非常に多く、それぞれ耐用年数や特徴が違うため迷われることもあると思いますが、ご自身で判断できなかったときは専門の業者に相談しましょう。
契約するときは多額の費用がかかる工事ですので、業者の選択は慎重に行わなくてはいけません。目先の安さだけに捕らわれず、きちんとサイディング塗装をしてくれる業者に依頼することが大切です。
いかがでしたでしょうか。なるべく費用を抑えてリフォームをしたい方へお知らせです。リフォマは中間業者を介さずに、ご要望に合う専門業者を直接ご紹介します。中間マージンが上乗せされないため、管理会社や営業会社などより安く費用を抑えることができます。下記のボタンからお気軽にご相談ください!
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