キッチンを増設したときにかかる費用
キッチンの増設にかかる費用相場は50万~120万円程度です。費用にかなり幅がありますが、これはどのようなグレードのキッチンを増設するか、どこに増設するかによって変わってきます。このため増設の費用は、次の2つを考える必要があります。
- キッチン本体
- 工事費用
どのようなキッチンなら費用を抑えられるのか、どこに配置すると費用が高くなるのかなど、それぞれを詳しくご紹介していきます。
キッチン本体
スタンダードサイズ:40万~60万円
ミニキッチン:10万~30万円
高機能なキッチンは100万円を超えるものもありますが、増設するキッチンではそれほど高機能なものを求めていない方が多いこともあり、人気が高いのは40万~60万円のキッチンです。最低限の機能があれば十分ということで、アパートなどで使われているミニキッチンを選ぶ方もいらっしゃいます。
予算に限りがあるかとは思いますが、必要な機能は妥協しないことをおすすめします。キッチンは簡単に買い換えできないため、無駄に機能をつける必要はありませんが、これだけは絶対に欲しいという機能や好きなデザインの商品を選ぶことをおすすめします。
工事費用
工事費用は「取付工事費用・内装工事費用・給湯器工事費用」の3種類に分類されます。それぞれにかかる費用について詳しく見ていきましょう。
取付工事費用:27万~48万円
取付工事費用は、キッチン本体を設置するのにかかる費用です。最低限必要となる費用だと考えてください。その内訳は次のようになっています。
給排水管工事:3万~10万円
電気工事:3万~4万円
ガス工事:3万~4万円
キッチン取付:3万~7万円
排気ダクト設置:10万~15万円
廃材処分費:3万~5万円
諸経費:工事費用の7~10%程度
金額にかなりの幅がありますが、これは1階に設置するのと2階に設置するのとで、条件がまったく違うためです。キッチンを置くだけなら費用に違いはありませんが、2階にまでガスや水道などを引き込み、さらに排気ダクトを設置するとなると、工事作業が増えるため高額になります。
内装工事費用:3~20万円
床のカーペットをフローリングに変更したり、壁に耐火ボードやタイルなどを施工したりするなど、設置場所の状況によっては内装工事が発生します。キッチンカウンターを設置する場合にも、追加で内装工事費用が必要です。
給湯器工事費用:10~26万円
キッチンを増設する際に気をつけたいのが給湯器です。既存の給湯器はキッチンが1つという想定でサイズを選定していますので、2つのキッチンで同時に使うと、お風呂の給湯が上手くできず容量不足になることがあります。増設の場合は、給湯器を大きなものに交換するか、給湯器そのものの増設が必要です。
キッチンの増設に必要な工事とは
キッチンの設置費用についてご紹介しましたが、その中に何種類の工事があることに気づきましたでしょうか。ここでは、増設で行う工事の種類と工事内容について分かりやすく説明します。
- 養生工事
- 設置場所の内装工事
- 設備工事
- 造作工事
- キッチンの取付け
- 配線・配管工事
まず、キッチンを設置する場所周辺を保護するために、養生工事を行います。養生ができたら、設置する場所の内装工事を行っていきます。防水を考えて床の張替えを行う場合は、既存の床を剥がしてキッチンを設置できる状態にします。
ガス、電気、水道工事は有資格者が行う必要があるため、ご自分で対処することはできません。専門業者が対応することになるため、ガス、電気、水道工事だけで10万円前後かかります。
システムキッチンは各部品ごとに工場で作られ、現場では組立作業を行います。きちんと採寸して作られているため、この作業はあまり手間がかからずにスムーズに取付けができます。最後に養生シートを取り除き、掃除をすればキッチンの増設完了です。
キッチンを増設するときの注意点
費用や設置方法が分かると、具体的にキッチンの増設を検討したくなると思いますが、気をつけたい注意点を2つご紹介しておきます。
増設する場所を考える
キッチンを増設するときは、まず動線をよく考えて設置場所を決めましょう。ミニキッチンであれば、ある程度融通がききますが、しっかり調理をしたいのであれば、サイズは1800mm程度欲しいところです。
1800mmですと、単純に壁に沿わせて設置するのか、それともカウンターキッチンにするのかなど、部屋のサイズや形に合わせて使いやすいレイアウト案を考えなくてはいけません。
また、搬入経路についても頭に入れておきます。キッチンは部品ごとに分かれて搬入されますが、天板とシンクは1枚板になっていることが多く、入り口のドアが小さいと搬入できないこともあります。玄関から搬入できない場合、窓などその他の搬入経路を確保できるか確認しておいてください。
2世帯住宅で使うのであれば、2階に増設するのがおすすめですが、階段が狭いとキッチンを運び込めない可能性があります。2階に十分なスペースがあることを確認し、便利さだけでなく快適さも含めて、どのようなキッチンを設置するのかを考えることが大切です。
部屋の状況によっては費用が高くなる
増設するキッチンは基本的には部屋のどこにでも設置できますが、設置する場所によって工事費が大きく変わってきます。簡単に触れましたが、2階に設置すると、ガスや電気、水道などのインフラ設備を2階まで引き込む工事が必要になります。
さらに、2階の場合は1階の天井との間に十分なスペースないと、排水管を設置できないという問題も発生します。その場合は、キッチン部分の床を上げるなどの追加工事が必要になりますし、換気扇を2階以上に取り付けるときは、足場を組む必要もありますので費用は割高になります。
2階に設置する際は、できるだけ1階のキッチンの真上にレイアウトします。真上が難しい場合でも、できるだけ距離を離さないことが、工事費用を抑えるためのポイントです。自分で判断できないときは、いくつか候補を挙げておき、業者と相談しながら設置場所を決めるようにしましょう。
キッチンを増設する際におすすめの商品
キッチンの増設を行うなら、フル機能の高価格帯のキッチンよりも必要な機能を備えつつ、使い勝手のいいシンプルなキッチンがおすすめです。ほしい機能があればオプションで追加するなどして、あまり高くないモデルを選びましょう。
ここでは、どのようなキッチンがいいのか分からない方のために、増設に適したメーカーのキッチンをご紹介します。
TOTO 【ミッテ】
出典:TOTO
TOTOのミッテはシンプルなデザインでありながら、機能性も高くて使いやすいと評判のシステムキッチンです。最も狭いもので間口が1800mmですので、セカンドキッチンとしてはやや大きいサイズになりますが、調理をしっかりしたい方におすすめです。
サイズ:1800~3000mm
奥行:650mm、750mm、970mm
クリナップ 【コルティ】
出典:クリナップ
クリナップのコルティはマンションやアパートなど、省スペースキッチンのニーズに対応して作られたコンパクトキッチンです。1200mm幅からラインナップされていますので、用途に応じて最適なサイズを選ぶことができ、レイアウトの自由度も高いキッチンです。
サイズ:1200~2100mm
奥行:600mm
LIXIL 【ティオ】
出典:LIXIL
LIXILのティオは最もコンパクトなもので幅が900mmしかありません。必要最低限のスペースしかないけれど、デザインや機能にはこだわりたい方におすすめのキッチンです。サイズだけでなくカラーバリエーションも豊富で、どんな部屋にもマッチします。
サイズ:900~2100mm
奥行:600mm、970-750mm
ミニキッチン
必要最低限の機能があればいいというのであれば、ハウステックやLIXILなどがオフィスやワンルーム向けに販売しているミニキッチンもおすすめです。電気コンロのミニキッチンを選べば、ガス工事も不要ですので、トータルコストを大幅に減らすことができます。
ミニキッチンについては別記事で詳しくご紹介していますので、下記リンク先をご参照ください。
ミニキッチン・コンパクトキッチンリフォームの費用相場はいくら?
キッチンの増設するときにかかる工事期間
キッチンの増設中は、基本的にその部屋を使うことはできません。そうなると、どれくらいの工事期間で完成するのか気になりますよね。増設にかかる期間は、壁や床などの内装工事をする場合としない場合で変わってきます。
内装工事がない場合:2日間
内装工事が必要な場合:1週間
目安としてはこの程度違います。また、この期間は工事期間のみですので、見積依頼を含めると更に時間がかかります。工事そのものの流れはすでにお伝えしましたが、ここでは増設を決めてから完了までの流れについて説明していきます。
キッチン増設するときの工事の流れ
- リフォーム会社への見積依頼
- リフォーム会社による現地調査
- リフォーム会社の選定・契約
- 増設工事開始
- 工事完了
上記がキッチンを増設するときの大きな流れになります。4~5に関してはお伝えしましたように2日~1週間で完了しますが、工事をするには業者を決めなくてはいけません。依頼を受けた業者は現地調査に来てレイアウトを考え、見積書を作成します。ここまでに3週間程度かかります。
見積もりは複数の業者に依頼するのが一般的で、提出された見積書やレイアウトを比較して、最適な業者を選んで契約しましょう。見積もりがすぐに出てこない業者もいますので、選定までに2週間程度かかると考えてください。
契約が済んだらすぐにでも工事といきたいところですが、システムキッチンは受注生産品が多く、在庫がない場合は完成するまで工事ができません。部品が完成するまでに2~3週間かかります。
これらの期間を合計すると、見積依頼から完了まで約2ヶ月程度かかることになります。できるだけ早く工事を終わらせたい場合は、少なくとも2ヶ月前には見積依頼をしてください。または、短期間で増設したい旨を業者に話し、予定した工事日数で完了するキッチンを提案してもらいましょう。
キッチンの増設を業者に依頼するときのポイント
キッチンの増設はリフォーム会社に依頼することになりますが、どのリフォーム会社でも同じというわけではありません。誰もが知っている大手の会社だと安心かもしれませんが、メリットとデメリットがあります。ここでは、キッチンを増設する際の業者選びのポイントをご紹介します。
大手の会社が必ずしも良いわけではない
業者を選定する際は、まず業者の規模を確認しましょう。
- 地域密着型の工務店
- 全国展開している大手の会社
- 地元で有名な中規模の会社
上記の3つにはそれぞれ特徴があります。対応が早く、価格も安いのが地域密着型の工務店ですが、このようなリフォーム会社の多くがプランの提案を苦手としています。そのため、ある程度ご自分でレイアウト案を考えられる方に適しています。
全国展開している大手の会社は、提案力がとても高いというメリットがありますが、実際の工事は工務店などが行うため、中間マージンが発生する分費用が高くなってしまいます。ただし、保証などの面での安心感は大きいといえます。
どちらも一長一短ですので悩ましいところですが、おすすめしたいのは地元で数店舗展開をしている、中規模のリフォーム会社です。この規模になると提案力もあり、自社で工事をしますので価格も比較的安く抑えることができます。ミニキッチンのような簡易的なキッチンを置くだけなら、提案力はさほど必要ありませんので、どのようなキッチンにしたいに合わせて、最適な業者に依頼してください。
価格だけでなく見積書を見て判断する
業者の選定をする際、どうしても見積価格で比較しがちですが、価格が安すぎる業者は危険です。例えば「増設工事一式 ◯◯万円」となっている見積書があったとします。他社よりも10万円も安かったから依頼したら「追加工事が必要」と言われて20万円請求された、なんてケースも実際にあります。
「増設工事一式」では、本当に必要な工事なのか分かりませんよね。価格だけを見るのではなく、きちんと工事の内訳を書いている業者の中から選ぶようにします。そして、分からないことは必ず質問してください。そのときの応対がしっかりしていれば問題ありませんが、適当にあしらわれたり曖昧な回答であった場合は、その業者への依頼は避けましょう。
業者選びで大事なのは「信頼できるかどうか」ということです。少しでもおかしいなと感じたら、価格が安くても信頼できる別の業者に依頼します。
複数の業者に依頼する
すでに簡単に触れていますが、見積もりは1社だけでなく複数の業者に依頼しましょう。1社だけに依頼すると、見積書の金額が妥当なのかを判断することができません。依頼した業者の技術力が足りず、使い勝手の悪いキッチンになってしまうこともあります。
満足度の高いキッチンに仕上げたいのであれば、面倒でも2~3社に見積依頼をして、予算の範囲内で最適なプランを提案してくれた業者に発注してください。
まとめ
最近は2世帯で暮らす人も増えてきましたが、そういうときにセカンドキッチンがあることで、お互いに必要以上に干渉せずに生活ができます。ただし、安易に設置すると使い勝手が悪かったり、工事費用が高額になることがあります。
増設工事の場合には、水道・ガス・電気の配管や配線をよく考えて、できるだけ既存のキッチンに近い場所にレイアウトしましょう。特に2階以上に設置する場合には、1階のキッチンの真上にくるように配置することで、工事費用を抑えることができます。
自分で場所の判断が難しいときは、ある程度のイメージが固まったところでリフォーム会社に相談してください。リフォームに合わせて適切な業者を選ぶことで、使い勝手と工事費用のバランスが取れたプランを提案してもらえ、低予算で工事してもらえるかもしれません。
いかがでしたでしょうか。なるべく費用を抑えてリフォームをしたい方へお知らせです。リフォマは中間業者を介さずに、ご要望に合う専門業者を直接ご紹介します。中間マージンが上乗せされないため、管理会社や営業会社などより安く費用を抑えることができます。下記のボタンからお気軽にご相談ください!
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