2018年10月16日

マンションで雨漏りが起きたら誰が負担するの? 対処方法と費用についてお教えします

マンションは一軒家と違って雨漏りしないと思っている方もいるようですが、老朽化の進んだマンションやお手入れをきちんとしていない所では雨漏りが発生することがあります。ここではマンションの雨漏りが起こったときにだれが責任を取るのか、また対処方法と修理したときの費用相場についてもご説明します。

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マンションの雨漏りは原因によって責任者が決まる

マンション 雨漏り

まず最初に、マンションで発生した雨漏りの責任が誰にあるのかについて説明します。「責任は管理会社にあるんじゃないの?」と思う方もいるかもしれませんが、雨漏りになった原因によって責任者が違ってきます。

ご自身による過失

例えば、急いでいて窓を開けっ放したまま出掛けてしまったため、そこから大量の雨が部屋の中に入ってしまい、階下の部屋に雨漏りを発生したとします。これは、明らかに人為的な過失ですので、責任は窓を開けっ放しで出かけた住人に発生します。

また、ベランダの排水管の掃除を怠ったことで、枯れ葉や土などが詰まってしまった場合も、大雨だと排水が間に合わなくなり部屋の中に雨水が入ってくることもあります。それが原因で階下の部屋に雨漏りが発生したら、排水管を詰まらせた住人の責任になります。

業者の工事ミス

雨漏りの原因として意外と多いのが、業者の施工ミスです。多少施工が甘くても通常の雨なら部屋に入ってくることはありませんが、台風やゲリラ豪雨などの強烈な雨に襲われたとき、施工がしっかりされていないと、窓のシーリング部分から雨が染み込んでくることがあります。

そもそもシーリングが抜けているケースもあります。いずれの場合も、もちろん施工業者の責任で補修することになります。

マンション自体の老朽化

マンションは殆どがコンクリートでできていますので、経年劣化でヒビが入ることがあります。また、シーリングも老朽化によって、その役割を果たせなくなります。経年劣化でできたひび割れから雨水が侵入して雨漏りになった場合の責任は、マンションの管理組合にあるといえます。

最上階は注意が必要

マンションの最上階はステータスも高く人気ですが、天井の上が屋上になっていますので、他の部屋よりも雨漏りしやすいというリスクがあります。もちろん屋上からの雨漏りは管理組合の責任で直してもらえますが、補修には他の住人の同意が必要になるため、すぐに対応してもらえないことがあるので気をつけましょう。

マンションで雨漏りが起こったときにすること

マンションで雨漏りが発生したときに、責任が誰にあるかというのはとても重要なことなのですが、それよりもまず雨漏りによる被害を最小限に抑えることが重要です。このため、雨漏りが発生したときにどのような対応をすればいいのかについて説明します。

応急処置をする

まずは、雨漏りによって落ちてくる水をなんとかしなくてはいけません。雨漏りをしている箇所の下に雑巾や大きめのタオルを敷いて、その上にバケツなどの水受けを置いて応急処置をしてください。とにかく階下に雨漏りが広がるなどの被害を食い止めなくてはいけません。

次に、雨漏りしている周辺にあるものを安全な場所に移動させてください。ただし、家電を動かす場合には漏電する可能性があります。濡れた状態でコンセントを引き抜こうとしないように気をつけてください。

貸主に連絡する

応急処置が済んだら、雨漏りが発生したことを連絡しなくてはいけません。賃貸マンションの場合は管理会社などの貸主に連絡し、購入した分譲マンションの場合は、管理組合に連絡しましょう。

すぐに工務店などに連絡して修理してもらいたくなるかと思いますが、マンションの場合は原因を特定して、誰の責任なのかを調査する必要があります。

貸主や管理組合に連絡したら、雨漏りしている現場を動画や写真などで記録しておいてください。調査の前に雨が止んでしまう可能性がありますので、そのときの状況説明に役立ちます。調査をスムーズに行うためにも、必ず現状がわかる記録を残しましょう。

マンションでの雨漏りの損害は誰が支払うのか

マンションで雨漏りが発生した場合、基本的にはマンションの持ち主が損害に対する支払いを行います。このため、賃貸マンションを修繕を行うときには貸主や管理会社が費用負担して直します。一方、分譲マンションの場合は積立金を使って補修を行います。

しかしながら、すでに説明しましたように雨漏りの原因が居住者にある場合には、部屋の住人が損害賠償しなくてはいけないケースもあります。雨漏りではありませんが、お風呂のお水を溢れさせたりして、水漏れが発生した場合なども、水漏れを起こさせた人が支払います。

ちなみに、台風や大雨などが原因で雨漏りが発生した要な場合には、火災保険が適用されるため、保険金で損害の支払いができます。ただし、そもそも建物の老朽化が進んでいるという場合や、人為的な過失の場合には保険の対象外になります。

マンションで雨漏りが起こったときの費用は?

マンションで雨漏りが起こったときには、どのような費用がいくらくらい掛かるのでしょうか?まず、必要になるのが修繕の費用ですが、こちらは雨漏りの原因によっても違いますし、どこから雨漏りしているかによっても変わります。

単純にコーキングをし直すだけでしたら、2万~20万円くらいで済みますが、窓などの施工不良だった場合には、その10倍以上の費用がかかります。建物そのものが経年劣化していて、本格的な修繕が必要な場合には、1000万円以上必要になります。

また、補修するのに足場を用意するとそれだけで高額な費用が上乗せされます。雨漏りによって床や天井がだめになっている場合にも追加で費用が発生します。

雨漏りによって家具や家電などが水浸しになってしまった場合には、損害賠償の費用が発生します。費用の額はどれだけの損害が出たかによって変わりますが、損害となった物品の時価分を支払うことになります。

居住者が原因の場合:雨漏りを発生させた人の火災保険で補償する
共有部分が原因の場合:管理組合が加入している火災保険で補償する
賃貸物件の場合:管理会社を通じて家主の火災保険で補償する

物品の損害の場合は、誰が負担するかという点がやや複雑ですが、基本的には保険会社が支払うことになりますので、あまり金額は気にしなくても構いません。

雨漏りはどんな業者に依頼をすればいいのか

雨漏りが発生したときの修理は、管理会社や管理組合を通して業者に修理してもらうのが一般的ですが、マンションによっては自分で業者に依頼しなくてはいけないこともあります。その場合には、下記の点を意識して業者選びを行いましょう。

  • 雨漏り修理をする箇所に合わせて業者を選ぶ
  • 補修した後の保証がある
  • 直ぐに対応してもらえる
  • 見積依頼したときなどの対応が丁寧

まず大事なのは、どの部分の雨漏り修理をしたいのかによって、業者を使い分けるということです。外壁の老朽化が問題の場合には外壁塗装や外壁工事の施工会社、窓の施工不良の場合はサッシ専門の業者、天井や床を補修する場合には内装業者に依頼しましょう。

業者を選定するときには、必ず5年保証・10年保証のようなアフターフォローをしてくれる業者の中から選びましょう。補修をしたのに、強い雨が降ったらまた雨漏りしたというようなことがよくあります。そういうときに無料で再補修してくれる業者を選んでください。

もちろん、すぐに直しに来てくれることも重要です。どの業者も基本的には忙しく、早急な対応ができないことがあります。雨漏りは放置していると、あっという間に被害が広がってしまいます。依頼して数日のうちに修理対応できるかどうかも確認しましょう。

できるだけ早く雨漏りを直したいかもしれませんが、補修の相談は1社ではなく複数の業者にしてください。中には悪徳業者や技術力の低い業者などもあり、1社にしか依頼しないとそのような業者に当たってしまうこともあります。

少なくとも2~4社に相談して、説明が丁寧で応対のいい業者の中から選びましょう。ついつい金額の安い業者を選びたくなりますが、安さだけで選ぶとトラブルの原因になります。信用できると感じた業者の中から選ぶようにしてください。

もし自分が原因で雨漏りが起こってしまったら

雨漏りの原因がご自身にある場合には、自分の責任で修理や損害賠償をしなくてはいけないケースもあります。もし、雨漏りを起こしてしまった場合に、どう対処すればいいのかについてご紹介します。

火災保険を確認する

雨漏りを起こして建物の補修が必要になった場合や、階下の家具や家電などの物品をダメにしてしまったときには、火災保険が適用される可能性があります。まずは自分の加入している火災保険の内容を確認しましょう。もし雨漏りも保険の範囲内に含まれているなら、保険会社に連絡してください。

すぐに保険会社の担当者が現場を確認しに来てくれます。担当者が来るまでは、できるだけ現状をそのままにしておく必要がありますが、これ以上雨漏りさせるわけにはいきません。応急処置だけでも必要な場合は、写真や動画などを撮ったうえで雨漏り対策をしましょう。

また、必ずしも火災保険が適用されるわけではないことも、頭に入れておきましょう。とはいえ判断は保険会社が行いますので、まずは保険会社に電話して現場の確認をしてもらいましょう。

契約書を確認する

賃貸マンションの場合は、契約書に雨漏りのときの取り決めが記載されています。火災保険が適用できるかどうかを確認する前に、賃貸契約書を確認しておきましょう。物件によっては入居者に問題があっても、貸した側が費用負担するようになっていることもあります。

まずは賃貸契約書の内容をチェックしてみましょう。そこで入居者負担となっていた場合には、もちろん補修費用を自分で出さなくてはいけません。そのときに、火災保険が適用できるかどうかを確認してください。

マンションで雨漏りを起こさないための対処方法

マンションの老朽化によって雨漏りが発生している場合や、窓の開けっ放しが原因の雨漏りなどは対処するのが難しいのですが、それら以外の雨漏りは、日頃のお手入れをしっかりすることで、予防することも可能です。

  • 下水管が詰まらないようにこまめに掃除する
  • 外壁の塗装剥がれやヒビ、シミはすぐに調査する
  • 屋上を定期的に点検する

マンションで雨漏りをさせないためには、上記の3点を行ってください。まず大事なのは共有部分も含めてきちんと掃除することです。自分だけが心がけていてもいけませんので、管理組合などを通じてすべての居住者に、こまめな掃除の意識を持ってもらうようにしましょう。

外装の異変に気づいたらすぐに調査することも重要です。外壁の塗装剥がれやヒビは雨漏りの原因となり、シミはコンクリートの成分が染み出している可能性があります。いずれも放置しておくといずれ室内の雨漏りにも繋がりますので、必ず専門業者に調査してもらいましょう。

マンションの場合、見逃しがちなのが屋上です。通常は屋上に入れなくなっているケースがほとんどで、防水塗装の剥がれやふくれなどが発生していても気づきません。このため、管理組合で半年に1回はチェックしてもらいましょう。

まとめ

マンションは一軒家と違って共有部分が多く、自分の判断だけで雨漏りの補修ができません。まずは、雨漏りの原因を特定して、責任が誰にあるのかを決めなくてはいけません。建物が老朽化していた場合には、貸主や管理組合の責任で補修することになります。

ただし、入居者のミスによって発生した場合には、その人の責任で補修しなくてはいけないケースもあります。この場合、火災保険が適用されることもありますので、もし自分の責任で補修する必要がある場合には、まずは保険会社に現場の確認をしてもらいましょう。

また、予防によって雨漏りの多くは防ぐことができます。マンションの外壁や屋上などを、管理組合で定期的にチェックしてもらい、ひび割れや塗装の剥がれが見つかった場合には、積立金などを利用して雨漏りが発生する前に修繕してもらいましょう。

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監修者:

渡邊 一伸(ナベさん)

大工歴35年。大手ハウスメーカーで2年間現場監督に従事。3000棟以上のリフォーム・住宅修理の工事管理の実績をもつ。阪神淡路大震災においては1年間復興財団に奔走。その後、独立し、会社を10年経営。2016年に1月に株式会社ローカルワークスに入社。