2019年5月31日

オーダーメイドキッチンの価格はいくら? メーカーや導入の注意点も解説

料理好きの主婦にとっては憧れでもあるオーダーメイドキッチン。理想のキッチンなら、毎日の楽しく料理できそうですよね。そうはいっても、どこで購入すればいいのか、費用はいくらなのか気になる方も多いと思います。ここでは、オーダーメイドキッチンの価格相場やメリットとデメリットなどもご紹介しています。

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オーダーメイドキッチンとは何か

オーダーメイドキッチン

キッチンはどんなものでも、基本的に受注生産となります。家ごとにキッチンを置ける幅が違いますし、オプションなどの仕様も異なるためです。そういう意味では、すべてのキッチンがオーダーメイドとも言えますが、オーダーメイドキッチンは少し意味合いが違ってきます。

キッチンには大きく分けて3つの種類があります。

  • システムキッチン
  • 造作キッチン
  • オーダーメイドキッチン

システムキッチンはメーカーの規格品。造作キッチンは工務店の職人さんが作るオリジナルのキッチン。そして、オーダーメイドキッチンは、キッチンのプロと一緒に打ち合わせをしながら、好きに作れるキッチンのことです。

まずは、システムキッチンとオーダーメイドキッチンの違いについて解説していきます。

システムキッチンとの違い

システムキッチンはTOTOやLIXILといった、キッチンメーカーがそれぞれの規格に基づいて製作しています。最新の機能を持たせることが可能ですが、基本的にほしいオプションを組み合わせて、サイズも決まったものの中から選びます。このため、キッチンを交換するリフォームでは微妙にサイズが合わない、ということが起きます。

さらに、キッチンメーカーは部品などをまとめて作り、在庫としてある程度保管しているため、オーダーメイドキッチンと比べて安く購入できます。種類も多く、安価なものから高品質のものまで販売されていますが、システムキッチンはオーダーメイドキッチンと比べると、無個性になりやすいというデメリットがあります。

造作キッチンとの違い

造作キッチンは、工務店などの職人さんが自宅のキッチンスペースにぴったり合うように、作り上げるキッチンです。オーダーメイドキッチンと同じものとされることもありますが、大きな違いはキッチンのプロが作るわけではないという点が挙げられます。

オーダーメイドキッチンは、キッチンを知り尽くした人が設計をしますが、造作キッチンはデザインだけに長けた方が設計することがあります。このため、造作キッチンは依頼する業者で仕上がりが大きく変わってきます。専門知識のない方が設計すること、システムキッチンより自由度は高いものの、使いづらいキッチンになるかもしれません。

オーダーメイドキッチンのメリットとデメリットを解説

オーダーメイドキッチン

オーダーメイドキッチンと他のキッチンの違いが、ある程度は理解していただけたと思います。次に、システムキッチンや造作キッチンではなく、あえてオーダーメイドキッチンを選ぶことで、どのようなメリットやデメリットがあるのかをご紹介します。

メリットだけでなくデメリットも把握しておくことで、後悔のないキッチンリフォームができますので、マイナスの部分もきちんと理解しておきましょう。

メリット

  • 自分好みのデザインに仕上げることができる
  • 自分の身長にあった高さに出来る
  • キッチンの大きさに合ったサイズで作ることができる

オーダーメイドキッチンの魅力は「すべて自由に作れる」点です。自分の好きに作ることができますので、北欧風にすることもできれば、無垢材を使ったデザインにすることも可能です。それも世界にひとつしかないキッチンですので、満足度が上がります。

さらに、使い勝手の良さにもこだわることができます。既成品のキッチンは高さが決まっていますので、身長が多少合わなくても我慢して使うしかありませんが、オーダーメイドキッチンでは自分の調理しやすい高さに調整できます。

横幅もご自宅の状況に合わせて作れますので、微妙な隙間ができることもなく、仕上がりもとても美しくなるというメリットがあります。

デメリット

  • 初期費用が高い
  • 相談から納品まで時間がかかる

オーダーメイドキッチンのデメリットは、費用の高さと導入まで時間がかかるという2点です。価格は素材や部材によって異なりますが、組み合わせ次第ではシステムキッチンよりも更に高額になることがあります。価格相場については次章で詳しくご紹介しますが、システムキッチンのように、部品をまとめて作ることができないため、どうしても割高になってしまいます。

そして、オーダーメイドなので部品1つ1つをすべて選ぶ必要があり、選ぶにも時間がかかります。部品そのものも1から作ることになりますので、発注までも長い時間を要しますし、発注してからも納品まで半年程度かかります。

オーダーメイドキッチンの価格はいくら?

オーダーメイドキッチン

オーダーメイドでのキッチンは、高いという印象があるかもしれませんが、少し誤解があるといえるでしょう。素材や機能などにこだわれば価格は上がりますが、「100万円の予算で作って欲しい」と注文も可能です。

とはいえ、費用相場はもちろんあります。どこまでこだわるかにもよりますが、オーダーメイドキッチン自体は100万~300万円が標準的な価格で、これに設置するためのリフォーム費用が加わります。素材やデザインにこだわったものですと、1,000万円を超えるものもありますが、一般家庭のキッチンでそこまで高くなることはありませんので安心してください。

費用が高くなりすぎると予算オーバーしてしまう場合は、メーカーにあらかじめ予算を伝えておくという方法があります。仮に200万円という予算ならば、それを最初に伝えておき、キッチンに求めるものに対して優先順位をつけて、200万円の範囲内で出来る内容で作ってもらいましょう。

オーダーメイドキッチンでおすすめのメーカー

オーダーメイドキッチン

そもそもオーダーメイドキッチンを作るのに、どこに注文すればいいのか分からないという方もいますよね。オーダーメイドキッチンは専門店があります。小さなお店から、世界規模で展開している会社まで幅広くありますが、ここでは初めての方でも利用しやすいおすすめのメーカーをご紹介します。

クチーナ

クチーナは1937年に大阪で創業したメーカーで、完全オーダーメイドではなく、カスタマイズフリーでキッチンを製作しています。ベースとなるキッチンは用意されていますが、システムキッチンのように、既存のものを組み合わせるのではなく、使う人のライフスタイルに合わせて最適な形へとカスタマイズしてくれます。

注文家具の製造販売から始まったメーカーですので、依頼者の希望を汲み取ることを得意としています。自社での加工にこだわっているため、納品してから20〜30年経過してもカスタマイズにも対応してもらえるのが、クチーナの特徴です。

スタディオン

オーダーメイドキッチンはとても魅力的ですが、形のないところから作り上げるので、プランニングを行う人の技量が問われます。スタディオンは豊富な経験を持つキッチンブレンダーが、要望を聞き取りつつも使いやすさや予算など様々な角度から考えられた、最高のオーダーメイドキッチンを提案してもらえます。

すでに3,000件以上の製作実績があり、作り上げたキッチンにひとつとして同じものはありません。特に力を入れているのが、車椅子の方でも無理なく利用できるオーダーメイドキッチンです。車椅子で使う場合のノウハウも豊富で、ストレスのない調理ができると高い評価を得ています。

その他にも、オーダーメイドキッチンのイメージが湧かないという方のために、東京と大阪にショールームが用意されています。キッチンブレンダーが対応しますので、リフォームについて相談することもできます。

kitchenhouse

kitchenhouseのオーダーメイドキッチンは、15のスターティングモデルを元に、理想のキッチンを作り上げていきます。完全オーダーメイドではなく、豊富なバリエーションの中から選び出し、カスタムメイドでプランニングを行うメーカーです。青山パークタワーなどの高級マンションでも採用されている、高品質のキッチンを得意としています。

全国10ヶ所にあるショールームでは、東京・ミラノ・上海に拠点のあるグランドデザインセンターでは、練り上げられた約20セットのカスタムキッチンを実際に見ることができます。この20セットをスタートラインに、理想のキッチンをプランニングしてもらえます。

松岡製作所

松岡製作所はオーダーメイドキッチンだけでなく、キッチンリフォームやシステムキッチンの製造販売、家具の輸入まで幅広く手掛けているメーカーです。得意としているのはステンレスを使ったキッチンで、個性的でありながら主張することなく、空間に溶け込むようなデザインを提案してくれるメーカーでもあります。

オーダーメイドキッチンはすべて自社で図面作成を行い、職人の手作業によって高品質のキッチンが生み出されます。広島と東京にショールームがあり、福岡と大阪には総合展示場では、松岡製作所のオリジナルキッチンを見ることができます。

ekrea(エクレア)

ekreaは「自分仕様のキッチン」にこだわるキッチンメーカーで、オーダーメイドキッチンだけでなく、キッチンのリフォームも行っています。ekreaはホームページで標準的な価格表を掲載していますので、ある程度の予算を把握した状態で相談できるのも嬉しいですよね。

依頼者の頭の中にある理想のキッチンを作るのではなく、設置したあとに人と食が調和することまで考えた提案をしてもらえます。デザインや機能だけでなく、生活の中に調和する美しいキッチンを求める方に、おすすめのメーカーです。

アムスタイル

多くのキッチンは購入したときがベストの状態にありますが、アムスタイルのキッチンは使い続けることで味わいを深め、ベストの状態になるように作られています。アムスタイルのキッチンづくりの面白い点は、最初に形を決めるのではなく、どのような暮らしを求めるのかを聞くことから始まります。

ステンレスや木目などのシンプルな素材で、直線的なデザインに仕上げるのがアムスタイルの特徴です。構成する素材は最高品質のものしか利用しないため、価格はそれなりにしますが、他社にはないクオリティの高さで、満足度の高いオーダーメイドキッチンが手に入ります。

オーダーメイドキッチンを購入するときの注意点

理想の空間を手に入れることができるオーダーメイドキッチンですが、システムキッチンとは違って、何もないところから作り出しますので、注意しなくてはいけないことがあります。中でも気をつけたいのが下記の3点です。

  • 説明書がないことがある
  • 自由に造りすぎない
  • 完成品を確認できない

それぞれの注意点について、詳しく見ていきましょう。

説明書がないことがある

システムキッチンでは、メンテナンス方法や使用上の注意などが書かれた取扱説明書が付いてきます。日頃のメンテナンスは取扱説明書に従って行うことになりますが、オーダーメイドキッチンの場合は、そのような取扱説明書がないことがほとんどです。

もちろん、取扱説明書がなくてもきちんとメンテナンスをしないと、長く使用することはできません。取扱説明書がないときは、完成後に取り扱うときの注意点や、メンテナンス方法について必ず確認しておきましょう。

また、使っていて困ったことや分からないことなどがあれば、メーカーの担当者に相談しましょう。間違った使い方をすると、故障してしまう可能性もありますので注意してください。

自由に造りすぎない

オーダーメイドキッチンの魅力は、自由に作ることができる点にあります。ただし、自分の理想としているキッチンが、必ずしも使い勝手のいいものだとは限りません。システムキッチンが今のスタイルになったのには、きちんとした理由がありますので、そこからかけ離れた奇抜なデザインのキッチンにすると、完成時は満足するかもしれませんが、段々と不便さを感じることでしょう。

満足度の高いキッチンにするためには、メーカーのプランナーと一緒に作り上げていく、という意識を忘れないようにしてください。プランナーはキッチンを知り尽くしており、人間工学的な使いやすさや経験に基づいて総合的に判断して提案します。

オーダーメイドであっても、決して独りよがりなキッチンにならないように注意すると共に、プランナーの提案に耳を傾けて、自分の理想と使いやすさのバランスの取れたオーダーメイドキッチンを目指しましょう。

完成品を確認できない

システムキッチンは完成品をショールームで確認できますが、オーダーメイドキッチンは素材や部材の組み合わせが非常に豊富のため、完成してみないと仕上がりが分からないという難しさがあります。設置してみたら、部屋のインテリアとマッチしていなかったということも考えられます。

これを回避するには、念入りに打ち合わせを行うしかありません。また、ショールームのあるメーカーもあります。できるだけ多くのショールームを見て回り、自分の希望するのキッチンを作っているメーカーの中から選ぶようにしましょう。

それでも、完璧に理想通りのキッチンには簡単なことではありません。そこがオーダーメイドキッチンの難しさでもありますし、ある程度はメーカーに委ねる部分が必要です。自分の理想をしっかりと伝えて、望んでいるものを理解してもらえるように何度も会話をし、イメージを共有した上で製作することが大切です。

まとめ

オーダーメイドキッチン

既成品のシステムキッチンは価格も安く、オプションもたくさんあります。しかし、自由度が低く欲しい機能が付いていなかったり、反対にいらない機能がついていたりします。自分の理想に近いキッチンを手にしたいなら、オーダーメイドでキッチンがおすすめです。

オーダーメイドキッチンは高いという印象があるかもしれませんが、予算を決めてその範囲内で提案してもらうことで、費用を抑えることができます。シンプルなオーダーメイドキッチンなら100万円以下で作ることも可能です。

ただし、細部にこだわるとそれだけ価格は高くなります。さらに発注から納品まで半年程度かかりますので、理想のキッチンを手にするには、十分な予算と時間が必要です。プランナーのアドバイスや提案も取り入れて、上質で使いやすい世界にひとつだけのキッチンづくりを行いましょう。

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監修者:

渡邊 一伸(ナベさん)

大工歴35年。大手ハウスメーカーで2年間現場監督に従事。3000棟以上のリフォーム・住宅修理の工事管理の実績をもつ。阪神淡路大震災においては1年間復興財団に奔走。その後、独立し、会社を10年経営。2016年に1月に株式会社ローカルワークスに入社。