2019年6月7日

キッチンの浄水器はどれがいい?最適な浄水器の選び方をお教えします!

「水道水は変な味がするから飲みたくない」という方は、意外と多いと思いますが、ミネラルウォーターのみ使用するのは、コスト的にも現実的ではありません。そこでおすすめなのが浄水器ですが、種類が多いのでどれにすればいいか迷いますよね。この記事では、浄水器の選び方を中心にご紹介しています。

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浄水器とは何か

キッチン 浄水器

出典:Photo-AC

浄水器を使うと、水道水が美味しくなるというイメージがあるかもしれませんが、なぜ美味しくなるのかと聞かれるとなかなか説明できないですよね。
そのため、まずは浄水器の基本について説明します。

水は水素と酸素が結びついたものだと、学校で習ったかと思いますが、自然界の水は様々な成分が入り混じっています。これを上水道施設で飲めるようにして、各家庭に届けてくれるわけですが、この状態でもまだ下記のような成分が残っています。

  • 塩素
  • トリハロメタン
  • 大腸菌
  • ミネラル

この他に、東日本大震災の直後は放射性物質が検出されたケースもあります。塩素は水を安全に届けるための消毒で使用され、その消毒によってトリハロメタンが発生します。また、水道管に含まれる鉛が溶出しているケースもあります。

浄水器はこのような不純物を取り除くことで、より安全性の高い水にする効果があります。ただし、ミネラルは不要なものではありませんので、最新の浄水器はミネラルを残しつつ体に有害な成分を取り除きます。
有害な取り除く方法については後で詳しく解説します。

キッチンに浄水器を設置するメリット

キッチン 浄水器

浄水器の設置をする理由として、「水道水が美味しくないから」を挙げる人がほとんどです。しかし、メリットがそれだけなら浄水器である必要はありません。ミネラルウォーターでなくても、最近はウォーターサーバーを置くご家庭も増えています。

では、浄水器にはどのようなメリットがあるのでしょうか。ここではキッチンに浄水器を設置するときのメリットを解説していきます。

美味しい水が飲める

これは言うまでもありませんが、浄水器を設置すると水道水が美味しくなります。水道水が美味しくない理由のひとつとして、カルキ臭が挙げられます。カルキ臭は水道水に含まれる塩素によって発生するため、浄水器によって塩素がなくなることで、カルキ臭も消えて美味しく感じるというわけです。

だったら、「なぜ塩素なんて入れるの?」と思うかもしれませんが、塩素は水道水の安全を守るために必要な成分なのです。少しややこしいですが、飲む直前までは塩素が入っていたほうが安心ですが、蛇口から出た後には塩素はいらないというわけです。

浄水器はそんなワガママを実現してくれるアイテムです。安全な水を美味しく飲んだり、調理に使ったりできる。導入するのに十分過ぎるメリットですよね。

危険な物質を除去してくれる

すでに簡単に触れましたが、水道水には様々な成分が含まれています。ミネラルのように必要なものもありますが、塩素のような飲むときにはいらないものなど、上水道施設で取り除ききれなかった成分が水道水には含まれます。

時々、水道管が破裂したというニュースを目にしますが、日本で使われている水道管の多くが老朽化しており、内部は錆や不純物で覆われています。これらは水道水に溶出していることがあるため、キッチンの蛇口に到着するときに汚れていることがあります。

さらに、塩素で消毒する際に発生するトリハロメタンは、発ガン性物質の1つといわれていますが、そんな危険な成分も浄水器は除去してくれます。日本の安全な水道水をさらに安全にしてくれるというのが、浄水器の大きなメリットとして挙げられます。

水を買うよりもコストがかからない

安全で美味しい水なら、ミネラルウォーターやウォーターサーバーを導入するという方法がありますが、それらは思った以上にコストが掛かります。

ミネラルウォーター:約50円/L
ウォーターサーバー:約120円/L
浄水器:約2~3.5円/L

価格を比較してみると、圧倒的に浄水器が安いことが分かります。もちろん、それぞれにメリットが違いますので、必ずしも浄水器が適しているとは限りませんが、「安全で美味しい」という部分だけを考えれば、水を買うよりも浄水器を設置したほうがコストはかかりません。

一体型のものは場所を取らない

浄水器は場所を取らないというメリットもあります。ウォーターサーバーはサーバーの設置スペースが必要ですし、ミネラルウォーターは買い置きしておいた水を保管する場所が必要です。ところが、浄水器は小さなスペースに設置できます。

据え置き型は多少スペースが必要ですが、それでもかなりコンパクトに収まります。ビルトイン型の浄水器であれば、浄水器機能がシンク下部に収まっているため、キッチンがすっきりとします。

さらに、最近人気の高い一体型の浄水栓であれば、浄水器が水栓に組み込まれていますので、ビルトインと同じように傍から見ると普通の水栓と同じです。このように種類ごとに大きさに違いはあるものの、いずれもコンパクトでほとんど場所を取りません。

キッチンに設置する浄水器の種類

出典:ダスキン

浄水器というと蛇口直結型の商品をイメージするかもしれませんが、それらは手軽で安価というメリットはあるものの、ろ過能力が低く商品によってはほとんど効果を感じないものもあります。そこで、ここではキッチンに設置するのにおすすめしたい3種類の浄水器をご紹介します。

ビルトイン型

ビルトイン型の浄水器は、シンク下部にカートリッジを設置しますので、シンク周りがとてもスッキリします。カートリッジも大きいため、1度にろ過できる水の量が多いというのもビルトイン型の特徴のひとつです。

シンクに穴を開けるため、設置するには工事が必要になります。さらに、カートリッジも高額になるというデメリットもありますが、キッチンの見た目にこだわりたい方や、高機能な浄水器を設置したいという方におすすめです。

浄水器一体化型

ビルトイン型の浄水器は魅力的ではあるものの、高額であるというデメリットもあります。予算にはあまり余裕がないけれど、ビルトイン型のようにシンク周りをスッキリさせたい方におすすめなのが、浄水器と水栓が一体となった浄水栓です。

蛇口直結型と同様にろ過能力が低いという弱点はあるものの、コンパクトでデザイン性にも優れています。設置には水栓を交換することになりますが、水栓交換費用と本体費用しかかかりませんので、費用を抑えることもできます。

据え置き型

据え置き型の浄水器は蛇口直結型よりもろ過能力高く、カートリッジも長持ちするという特徴があります。それでいてビルトイン型のように工事をする必要がありませんので、手軽に高機能な浄水器を導入できます。

ただし、設置するにはある程度のスペースが必要で、浄水器が人目についてしまいます。さらに、価格もやや高めというデメリットもあります。とはいえ、自分で取り付けることも可能ですので、工事費用を抑えることができますし、初めての浄水器を導入する方におすすめです。

キッチンに設置する浄水器を選ぶポイント

キッチン 浄水器

浄水器にも種類があることを分かってもらえたかと思います。同じ種類の浄水器でも商品ごとにろ過能力などに違いがあるため、数ある浄水器の中からご自宅に最適な浄水器を選ばなくてはいけません。

ここでは、浄水器を選ぶときにどのような点を比較すればいいのか、そのポイントについてご紹介していきます。

種類

浄水器を設置するときには、まずは種類を決めましょう。

高機能なろ過能力が欲しい:据え置き型・ビルトイン型
カートリッジの交換を少なくしたい:据え置き型・ビルトイン型
シンクをすっきりさせたい:浄水器一体化型・ビルトイン型
価格を安く抑えたい:浄水器一体化型

このように浄水器に何を望むかによって、最適な浄水器の種類が違います。何のために浄水器を設置するのかをよく考えて、自分に最適な種類を選ぶようにしましょう。

価格

浄水器は、低価格の蛇口直結型であれば2,000円程度から購入でき、高機能なものになると15万円以上する商品もあります。基本的には価格が高いほど高機能になりますが、全ての方に15万円以上するような浄水器が必要なわけではありません。

浄水器を選ぶときは、まず自分の予算を決めておきます。種類と予算が決まれば、選択肢はかなり狭まります。ちなみに、本体価格だけでなくカートリッジの価格や入手のしやすさも考えなくてはいけません。本体が安くてもカートリッジが高いと、ランニングコストが上がってしまいますので、3~5年程度利用したときのトータル費用で比較を行うのがよいでしょう。

浄化能力

キッチンに設置する浄水器は、フィルターや活性炭を内蔵したカートリッジによって水をきれいにします。このカートリッジの種類ごとに、除去できる不純物の種類が違います。また、カートリッジの大きさによって、1分間にろ過できる水の量も変わってきます。

浄水器を比較するときには、次の浄化能力をチェックしましょう。

  • ろ過水量
  • 除去できる不純物の種類
  • カートリッジの交換目安

理想は、ろ過水量と除去できる不純物の種類が多く、さらにカートリッジ交換期間が長いものですが、そうなってくると今度は価格が高くなります。予算の範囲内で収まるもので、この3点のバランスが良いものを選びましょう。

水質

最新の浄水器は水をきれいにするだけでなく、アルカリイオン水や水素水を作れる商品もあります。アルカリイオン水や水素水は、胃腸を整える効果があり飲用に適しています。さらに、料理を美味しくする効果もあるといわれています。水質を変えられる浄水器なら、このようなプラスアルファの効果を期待できます。

ただし、高機能であるため価格は高めです。水質にこだわりがあり予算に余裕がある方は、水質を変える機能がある浄水器を選びましょう。

浄水器はメンテナンスをしないと危険

キッチン 浄水器

安心して水道水を利用するために浄水器は必須ですが、買っておしまいというアイテムではなく、きちんとしたメンテナンスが必要になります。どのようなメンテナンスをすればいいのかについて、詳しく見ていきましょう。

カートリッジは定期的に交換する

浄水器はフィルターや活性炭を使って、水道水から不純物を取り除いています。ということは、そのまま使い続けると、浄水器の内部には不純物が溜まり続けることになります。そのままにしておくと目詰まりをお越したり、浄水効果が下がったりします。

そのような状態にならないためには、浄水器のカートリッジは定期的に交換しましょう。カートリッジの交換時期は、浄水器の種類や水の使用量によって違いますが、自分で判断が難しい場合は、交換時期をランプで知らせてくれる浄水器を購入します。

カートリッジの交換そのものは誰でも簡単にできますので、店舗やネットショップなどで購入すれば自分で交換できます。

蛇口本体の掃除も忘れずに行う

浄水器をつけるということは、蛇口には塩素のない水が流れるということです。ただし、せっかく浄水器を付けているのに、蛇口が汚れていたのではメリットが半減してしまいます。

浄水器を取付けたら、日頃からきちんと蛇口の掃除を行いましょう。歯ブラシなどで汚れを落とす程度で構いません。詳しい蛇口のメンテナンス方法は取扱説明書を確認し、その内容に従ってお手入れしてください。

まとめ

キッチン 浄水器

安全で美味しいお水を安く使うことができる浄水器ですが、浄水器の種類によって除去できる不純物の種類が違い、価格もかなり違ってきます。選ぶときは、浄水器の種類と予算を決めて、そこから絞り込みを行いましょう。

おすすめの浄水器はシンク周りをスッキリできる、ビルトイン型もしくは浄水器一体化型です。いずれも工事が必要になりますが、浄水器一体化型であれば本体価格も工事費用もそれほどかかりません。とはいえ、リフォーム会社によって工事費用に違いがありますので、まずはリフォーム会社に相談することから始めてみてください。

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監修者:

渡邊 一伸(ナベさん)

大工歴35年。大手ハウスメーカーで2年間現場監督に従事。3000棟以上のリフォーム・住宅修理の工事管理の実績をもつ。阪神淡路大震災においては1年間復興財団に奔走。その後、独立し、会社を10年経営。2016年に1月に株式会社ローカルワークスに入社。