キッチンを移動する前に確認すること
キッチンを移動させたいと思っても、移動できないということがあります。特にマンションの場合には、様々な制約によってキッチンを動かせないことも珍しくありません。このため、キッチンの移動をする前に次のことを確認しましょう。
- 排水管に十分な勾配を確保できる
- 排気ダクトを引き回すルートがある
- マンションは管理規約でリフォームが認められていること
最近の一戸建ては、配管や排気ダクトの設置に関して自由度が高いため、あまり問題になることがありませんが、マンションや古い家では、排水管や排気ダクトの都合での移動ができないことがあります。
特にマンションの場合には、メインとなる排水管が共用のものですので、移動させることができません。このため、メインの排水管とキッチンの排水口の位置が従来よりも遠くなるというときは、十分な勾配を設けることができずに、排水が流れなくて汚臭やつまりの原因になります。
排気口も位置を変えることができますが、マンションでは強度を持たせるために梁が設置されていて、排気口から換気扇までダクトを通せないというようなこともあります。このようなことのないように、キッチンを移動させるプランはリフォーム業者と相談しながら決める必要があります。
どうやってもキッチンの移動ができないときは、キッチンの移動リフォームは諦めて、別の方法で使い勝手を上げるようにしましょう。
キッチンを移動したときの費用相場
キッチンの移動工事にかかる費用
種類を変更せずに移動する
35万~70万円
壁付き型キッチンを対面型にする
150万~250万円
アイランド型キッチンにする
200万~300万円
2階に移動する
250万~
キッチンを移動させるときの費用として大きいのは、キッチン本体を新しくするかどうかという点です。既存のキッチンをそのまま流用して移動させるだけなら、35万~70万円で工事可能です。ところが、キッチンそのものを新品にすると、対面型でも150万~250万円もかかります。
また、アイランド型キッチンは、壁を取り除くなどの工事が必要になります。そうすると強度不足になってしまうため、補強のための工事が必要になり、どうしても費用が高くなります。
2階にキッチンを動かすためには、水道・ガス・電気のインフラすべてを2階に供給し、新規で排気口をつくらなくてはいけなくなるため、通常よりも費用は高くなってしまいます。
キッチンを移動する場合の工事パターンを紹介
キッチンを移動するといっても、どこに移動するか、どのようなタイプのキッチンにするかなど様々です。ここでは費用でも提示した、キッチンを移動するときの4つのパターンについて、その特徴をご紹介していきます。
キッチンの種類は変更せずに移動する
とにかく費用を抑えたいときは、既存のキッチンをそのまま流用してレイアウトだけを変えるという方法もあります。キッチンの向きを90度変えるだけでも、使い勝手が向上することもありますし、家族とのコミュニケーションしやすくなります。
ただし、キッチンが古いときは合わせて交換することをおすすめします。予算に余裕がないときはそのまま流用するのもよいですが、キッチンの寿命は10~15年ですので、10年以上使っているキッチンですと、移動した数年後に交換工事をすることになります。
トータルコストを考えるなら、同じタイプで移動リフォームをする場合でも、キッチン本体を新しくする前提で検討しておきましょう。
壁付き型キッチンを対面型にする
キッチンの移動リフォームで最も多い工事が、壁付き型キッチンを対面型にするリフォームです。古いキッチンの多くが壁付き型になっており、リビングにいる家族に背を向ける形で調理をすることになります。小さなお子さんがいる家庭では、子どもの行動が気になって調理どころではなくなる方もいますよね。
対面式にすることで家族の顔を見たり、会話を楽しんだりしながら調理できるようになります。家族間でのコミュニケーションが増えるということで、新築の家やマンションでも、対面型キッチンが主流になりつつあります。
また、古いキッチンを交換するタイミングで対面型にリフォームするケースが増えています。
アイランド型キッチンにする
出典:pixabay
アイランド型キッチンはおしゃれで、動線も自由度が増すためとても使いやすくなります。リビングのほぼ中心にキッチンがレイアウトされ、料理が好きという人にとっては憧れのキッチンの1つとして強い人気があります。
問題は大きなスペースが必要になるため、リビングがやや狭くなってしまう点です。また、キッチンが丸見えになるため、常に整理整頓を心がける必要もありますし、調理しているときの油ハネなどでリビングが汚れやすいとも言われています。
対面型をアイランド型にする場合は壁を取り除くことになるため、空間全体の補強が必要となり工事費用が高くなります。それでもスタイリッシュで、家族みんなでの調理も可能ですので、十分なスペースを確保できるのであればおすすめのリフォームです。
キッチンを2階に移動する
最近は生活の中心を2階に持ってくる家が増えています。2階にリビングをレイアウトすることでプライバシーが確保できるためです。リビングを2階にするならば、それに合わせてキッチンも2階に移動したいところですよね。
基本的にはキッチンの部材を2階に運べるルートが確保できるなら、2階への移動は問題なくできます。ただし、水道やガスを新たに2階へ引き込まなくてはいけませんし、電気配線の工事も発生します。リフォームに手間と時間がかかるため、どうしても費用が高くなるというデメリットがあります。
少しでも費用を抑えたいのであれば、1階にキッチンがあった場所の真上にレイアウトしてください。そうすることで、2階の配管費用を最小限に抑えることができるため、比較的安く工事することが可能です。とはいえ、他の方法よりも高くなるのは避けられませんので、十分な予算を確保しておきましょう。
キッチンを移動したときのメリットとデメリット
キッチンの移動を考えるとき、「何となく使いやすそう」という印象だけでリフォームする方がいらっしゃいます。その結果、思っていたようなメリットを感じられないどころか、むしろ使い勝手が悪くなるケースもあります。
後悔しないためにも、キッチンを移動させることでどのようなメリットとデメリットがあるのかを、きちんと把握しておきましょう。
メリット
- 家族と向き合いながら調理ができる
- 動線がよくなり移動のムダが減る
メリットについてはすでにお伝えした内容と重なりますが、大きなメリットとしては家族とのコミュニケーションをしやすくなるということと、調理をするための動線が改善されるということです。特にアイランド型のキッチンにリフォームした場合は、家族みんなで調理をできるようになるなど、キッチンが家の主役になります。
このとき注意すべきなのは、対面型でもキッチンの広さはそれほど変わらないという点です。むしろ囲まれた空間になるので、狭く感じることもあります。
デメリット
- リビングが圧迫されて狭くなる
- 調理中の音をうるさく感じる
- 高額な費用がかかる
対面型やアイランド型にした際、キッチンがリビング側に飛び出してきますので、リビングが狭く感じることになります。しかも調理中は換気扇の音や調理の音などが、テレビを見ている人の邪魔になることもあります。
そして、最も大きなデメリットは、工事費用が高くなるということです。200万円程度の費用が発生しますので、予算が足りない場合はどこかで妥協しなくてはいけなくなります。キッチンを移動させたいのであれば、しっかりと予算を確保してから行いましょう。
キッチンの移動する費用を少しでも安くする方法
- 移動距離をできるだけ短くする
- キッチンのグレードを下げる
上記の2つを行うと、キッチンの移動費用を少しでも抑えることにつながります。非常に重要なポイントですので、詳しく説明していきます。
まず意識したいのは、既存の排水管に接続することのできる位置にレイアウトするということです。既存のキッチンから離れた場所にレイアウトすると、排水配管までの距離が長くなってしまい、十分な勾配を確保できなくなります。そうなると、排水が上手く流れなくなるため配管全体の見直しも必要になります。
壁付き型を対面型やアイランド型にする場合は、既存のキッチンから大きく動かすのではなく、配管の繋ぎ変え程度で済む位置にレイアウトしましょう。
また、使い勝手もよく見た目もおしゃれなキッチンというのは、どうしても本体価格が高くなってしまいます。キッチンの移動にかかる費用のうち、大半を占めるのがキッチン本体にかかる費用です。少しでも安くしたいのであれば、無垢材のキャビネットや人造大理石のワークトップではなく、比較的安価な素材で統一するなどの工夫が大切です。
キッチンの移動を業者に依頼するときのポイント
キッチンの移動をするときに重要になってくるのが、どの業者に依頼するかということです。リフォーム会社なんてどこも同じだと思うかもしれませんが、業者ごとに技術力や提案力に差があります。このため、リフォームの満足度は業者選びで決まると言っても過言ではありません。
とはいえ、どのような業者を選んでいいのか分からないという方も多いかと思いますので、依頼するときのポイントをご紹介します。
業者が取り扱っているメーカーを確認する
まず気をつけたいのが、リフォーム会社では取り扱っているキッチンのメーカーが限られているということです。LIXILのキッチンにしたいのであれば、LIXILのキッチンを取り扱っているリフォーム会社を選ぶようにしましょう。
業者が取り扱っていないメーカーのキッチンですと、対応してもらえないこともあります。業者によっては対応することもあるかもしれませんが、慣れていないキッチンの設置ですので、手間や時間がかかることがあります。
メーカーにこだわらないのであれば、リフォーム会社の選択肢も範囲も広がりますが、希望のキッチンがある場合は、そのメーカーで取り扱っているかを確認した上で見積もり依頼をしてください。
アフターフォローがある業者にする
キッチンの移動を行うときには電気やガス、水道などの工事が伴います。それらの工事は資格を持った人が対応しますが、それでも100%不具合が起きない工事、というものはありません。どんなに腕のいい職人さんが配管しても、水漏れなどが起きる可能性はあります。
このため、優良なリフォーム会社ですと、アフターフォローとして無料の保証期間を設置しています。業者選びを行うときには、この無料保証期間があるかどうかを必ずチェックしてください。アフターフォローは別料金がかかる、という業者もあります。
それどころか、何の保証もしない業者も多々いますので、必ずアフターフォローを受けられる業者の中から選定しましょう。
まとめ
使い勝手の悪いキッチンでは、色々とストレスが溜まりますよね。そのため移動させたい方も多いと思いますが、何も考えずに位置を決めてしまうと排水管や排気口などの位置が悪く、高額な費用が発生することがあります。
少しでも安くリフォームしたいのであれば、既存のキッチンから大幅なレイアウト変更をしないよう心がけましょう。既存の配管に接続できる位置にレイアウトするだけでも、工事費用を大幅にカットできます。
とはいえ、安くすることばかり考えるとリフォームのメリットが薄くなってしまいます。予算と使い勝手のバランスを良く考えて、キッチンを移動させるようにしましょう。自分での判断が難しいのであれば、リフォーム会社に相談するという方法もあります。複数のリフォーム会社に予算も含めて相談し、最適なプランを提案してくれた業者に依頼してください。
いかがでしたでしょうか。なるべく費用を抑えてリフォームをしたい方へお知らせです。リフォマは中間業者を介さずに、ご要望に合う専門業者を直接ご紹介します。中間マージンが上乗せされないため、管理会社や営業会社などより安く費用を抑えることができます。下記のボタンからお気軽にご相談ください!
まずは相談から
渡邊 一伸(ナベさん)