2019年5月17日

キッチンのコンセント増設してより快適に! 工事のポイントや費用も解説

新しい電化製品を購入したいけれど、キッチンのコンセントが既に埋まっているときは、コンセントを増設しましょう!キッチンの家電の多くは消費電力が大きいため、タコ足配線は危険なのでおすすめできません。この記事では、コンセント増設するときのポイント、費用などについて解説しています。

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キッチンのコンセント増設で失敗しないためのポイント

キッチンで使える家電を増やしたいなら、コンセント増設がおすすめです。費用もそれほど高くありませんし、コンセントが増えることでブレーカーが落ちるのを心配しなくて済みます。ただし、何も考えずにコンセントを増やすと逆に使い勝手が悪くなったり、ブレーカーが落ちやすくなることがあります。

そうならないためにも、最初にコンセントの増設で失敗しないためのポイントについて、詳しく説明していきます。

コンセントの数を考える

コンセントの数は増えれば増えるほど便利そうに思えますが、むやみに増やしても工事費用が高くなるだけですし、同時使用する家電が増えるとブレーカーが落ちてしまうかもしれません。このため、増設をする際は本当に必要なコンセントの数を考えることから始めます。

まず頭に入れておくべきポイントは、1つのコンセントで使える消費電力は1500Wまでということです。1つのコンセントに複数の差込口がある場合、合わせて1500Wですので注意してください。それを踏まえた上で、キッチンで使用する家電とその消費電力を見てみましょう。

電子レンジ:1000W
電気ケトル:1250W
食器洗浄機:1200W
炊飯器:1100W
冷蔵庫:300W

例えば、冷蔵庫と電子レンジは合わせて1300Wしかありませんので、2つで1つのコンセントを利用できます。ところが、電子レンジと電子ケトルを1つのコンセントに接続し、同時に使用すると2250Wとなるためコンセントが壊れることがあります。

キッチンの家電を利用するとき、「電子レンジと炊飯器は同時に使えたよね?」なんてことを考えるのは面倒ですよね。通常1000W以上の消費電力があるキッチン家電は、それぞれ別のコンセントに接続します。このため、上記のケースですとコンセントが4つ必要になります。

消費電力が大きい家電と、ミキサーやコーヒーメーカーなど消費電力が少ない家電を組み合わせるのがおすすめです。余った差込口は掃除機をかけるときに利用してもいいでしょう。このように、使用する家電の消費電力を調べて、それに適したコンセント数を算出してください。

コンセントの設置場所を考える

キッチンにコンセントを増設する場合に気をつけたいのは、どこに設置するかということです。キッチンの家電は手元で使うものがほとんどですので、基本的にキッチンの天板よりも250mm程度上側に設置しますが、このとき気をつけるポイントが2つあります。

  • 水回りやガス周りにはコンセントを設置しない
  • コンセントの場所は分散させる

コンセントは電気が流れていますので、水がかかると漏電する恐れがあります。防水性のあるコンセントもありますが、わざわざリスクを負ってまで水回りにコンセントを設置する必要はありません。コンセントはできるだけシンクから離れた場所に設置しましょう。同じく安全性という理由で、ガスコンロの近くにも設置しないようにしてください。

コンセントは同じ場所に揃っている方が見た目はいいのですが、そうなると1ヶ所に家電が集中してしまい、使い勝手が悪くなります。キッチン家電を使用するシチュエーションを考えて、できるだけ分散して設置しましょう。

キッチンのコンセントを増設する方法

キッチンのコンセント増設

キッチンのコンセントを増設する方法は大きく分けて、下記の3つがあります。

  • コンセントの差込口を増やす
  • 既存のコンセントを増設
  • 分電盤から新規で引く

それぞれにメリットやデメリットがあり、どのようなキッチン家電を接続するかによって最適な増設方法が違ってきますので、それぞれの特徴について詳しく説明しています。

コンセントの差込口を増やす

消費電力があまり大きくないキッチン家電を使うことが多い場合は、2口コンセントを4口コンセントに増やす方法が適しています。コンセント本体の交換と開口部を少し大きくするだけですので、工事費用も抑えることができます。

2口コンセントを4口にする際に注意したいのが、コンセントの組み合わせです。最初のほうで軽く触れましたが、コンセントの差込口が増えたからといって対応する消費電力は変わりません。

そのため、上下の組み合わせで1500W以上の消費電力があると、コンセントが壊れてしまう可能性があります。消費電力が大きいものは、分けて使うようにしましょう。

また、ブレーカーの容量を超える使い方もできません。例えば、分岐ブレーカーの容量が20Aだった場合、4つのコンセントに接続したキッチン家電のうち、同時に使用できるのは2000Wまでです。それ以上同時に稼働させるとブレーカーが落ちますので、気をつけてください。

既存のコンセントを増設

分電盤の仕組み

コンセントが1ヶ所に固まると使い勝手が悪くなってしまうため、分散して配置するのが理想です。分散させる場合は、既存のコンセントから分岐させて新規でコンセントを増設します。どこに増設するかにもよりますが、配線距離が短ければ短いほど費用を抑えることができます。

ただし、差込口を増やす場合と同様に、1つの分岐ブレーカーから配線することになりますので、分岐ブレーカーが耐えられる以上の消費電力を使用すると、メインブレーカーが落ちてしまいます。このため、既存のコンセントからの分岐は、消費電力が低いキッチン家電を使用する目的のときに限られます。

分電盤から新規で引く

消費電力が大きい家電のためにコンセントの増設する場合は、分電盤から新規に専用の線を引っ張ってきます。ブレーカーの場所が遠いときは、大掛かりな工事になることも多く、場合によっては配線が丸見えになってしまうケースもあります。

そうはいっても、分電盤に専用のブレーカーを設置できることが前提の方法ですので、空いている分岐ブレーカーがない場合や、分岐ブレーカーを増設できるスペースがない場合は、分電盤自体を交換することがあります。

分岐ブレーカーを追加できても、契約しているアンペア数が低いと、メインブレーカーが落ちてしまう可能性がありますので、消費電力が上がる可能性があるときは、契約アンペア数の見直しも行う必要があります。

キッチンのコンセントを増設したときの費用相場

キッチンのコンセント増設

工事内容

コンセントの差込口を増やす工事

5千~1万円

既存のコンセントを分岐する増設工事

1万~2万円

分電盤から新規で引く増設工事

1.5万~3万円

キッチンのコンセントを増設したときの費用相場がこちらになります。最も安価な工事方法はコンセントの差込口を増やす工事です。コンセント本体の交換と開口部を広げるだけですので、作業時間もかからないため5千~1万円で工事をしてもらえます。

次に安価なのが既存のコンセントから分岐する増設工事で、こちらは分岐したあとの配線処理のしやすさにもよりますが、1万~2万円で増設してもらえます。ただし、差込口を増やす方法とコンセントを分岐する方法は、消費電力が大きなキッチン家電を使用するのには適していません。

食洗機や200VのIHクッキングヒーターを導入する場合は、専用回線を用意しなくてはいけません。その場合は分電盤からの配線を行うので、1.5万~3万円かかります。分電盤に空きスペースがないときは、分電盤の交換工事として追加で5万~8万円ほど必要になります。

キッチンのコンセントはDIYで増設できる?

キッチンのコンセント増設

キッチンのコンセント増設は、手先が器用な人なら「これくらい自分でできそう」と、DIYでの増設をしたくなると思います。しかし、コンセントの増設は電気工事士の資格がないと施工できません。

インターネットで検索すると、DIYで施工している例をいくつも見つけられますが、それらは電気工事士の資格を持っているか、もしくは違法な工事になります。配線するだけだから簡単にできると思うかもしれませんが、電気工事ですのでちょっとしたミスで感電することもあります。

配線ミスで発火するなど仮に事故が起きたとき、無資格者が増設したことが原因だと分かった場合は、保険が適用されないケースもあります。何より火災が発生すると近隣の方も巻き込んでしまうかもしれません。

そのようなリスクを考えると、自分でコンセントを増設するメリットはありません。分電盤から配線するにしても、3万円もあれば増設できるわけですから、キッチンのコンセントを増設する工事は、必ず電気工事士の資格を持った業者にお願いしましょう。

キッチンのコンセント増設を依頼すべき業者の見極め方

キッチンのコンセント増設

キッチンのコンセント増設は、電気工事士の資格を持った業者への依頼が必須ですが、業者選びとしては他にも気をつけることがあります。工事そのものはさほど難しいことではないので、ほとんどの業者で施工できますが、業者ごとに提案力や工事費用が違ってきます。

数万円の工事とはいえ、満足できる工事をしてもらうためには、最適な業者を見極めて選ぶことが大切です。ここでは、業者に依頼するときのポイントを詳しくご紹介します。

積極的に提案してくれる

まず重要になるのが提案力です。キッチンのコンセント増設は、使い勝手なども考えて増設方法を決めることになります。このとき経験の浅い業者に依頼すると、自分が依頼したとおりの工事しかしてくれません。その結果、増設後に頻繁にブレーカーが落ちることがあります。

実績のある業者であれば、電気配線と使用するキッチン家電の消費電力などを確認して、最適な増設方法を提案してくれます。もちろん、使い勝手や配線の見た目、安全性まで考慮した上で提案となります。

そのような工事業者は、費用がやや高くなる傾向にあります。そうはいっても、増設工事の費用が倍以上の金額になるわけではありませんので、提案力に優れた業者に依頼したほうが良いでしょう。

見積もりを比較して決める

キッチンのコンセント増設を行うときは、1社ではなく2~3社に見積もり依頼をしましょう。すでにお伝えしましたように、業者ごとに提案力が違いますし、配線方法の違いが見積金額の差になって表れてきます。

さらに、相見積もりの状態にすることで、コンセント増設の費用相場が見えてきます。業者としては少しでも高い工事費で行いたいところですが、相見積もりになっているときに高値を提示したら、工事を他社に取られてしまいます。結果、妥当な金額での見積もりを期待できますので、工事費用が必要以上に高くなるのを避けることができます。

見積書をチェックした際、「増設工事一式:◯万円」というような書き方をしていた場合は、必ず明細な工事内容を出してもらうようにしてください。一式という書き方ですと、工事に何が含まれているか分からず、安いからと思って依頼したら追加で工事費用を請求されるというケースがあります。

どのような工事にいくらかかるのか、どのような部品を使って増設するかなど、工事の情報をしっかりと開示してくれる業者の中から選ぶようにしましょう。

まとめ

キッチンのコンセント増設

新しく電化製品を導入したけど、キッチンのコンセントが足りずにタコ足配線になっていることがあります。キッチン家電の多くは消費電力が高く、コンセントが壊れてしまう可能性がありますので、キッチンではタコ足配線をしないようにしましょう。

コンセントを増設するときは、接続するキッチン家電の消費電力を計算して、コンセント本体や分岐ブレーカーの容量を超えないように気をつけてください。食洗機や200VのIHクッキングヒーターなど、消費電力が高い家電を新たに取り入れるときは、コンセントの分岐による増設ではなく、分電盤から専用配線を使っての増設がおすすめです。

また、業者を選ぶときは必ず相見積もりの状態にして、2~3社の中から選ぶようにしてください。選ぶときには見積金額も重要ですが、一番重要になるのが提案力です。増設後にストレスなく利用できるような、魅力的な提案をしてくれた業者の中から選ぶようにしましょう。

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監修者:

渡邊 一伸(ナベさん)

大工歴35年。大手ハウスメーカーで2年間現場監督に従事。3000棟以上のリフォーム・住宅修理の工事管理の実績をもつ。阪神淡路大震災においては1年間復興財団に奔走。その後、独立し、会社を10年経営。2016年に1月に株式会社ローカルワークスに入社。