2018年9月10日

床暖房リフォームにはどんなメリット・デメリットがあるの? 費用と交換の目安もご紹介

地球温暖化が進んでいることが原因とも言われていますが、毎年冬の寒さが厳しくなっているような気がしますよね。エアコンはあまり好きではない方、ストーブは小さい子どもがいるから危険が伴うので使用したくない方。ここでは、安全に部屋を暖めてくれる床暖房について、設置したときのメリットとデメリット、設置や修理した際にかかる費用についてご紹介します。

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床暖房とは

床暖房

床暖房を導入すると床が暖かくなるのは知っていても、そもそもなぜ床が暖かくなるのかまでは知らないという人もいますよね。床暖房は電気や温水を床の下に流すことで、床そのものを加温する暖房方法です。

床材はなんでもいいわけではなく、一般的にはフロアタイルやフローリングが使われます。いずれも床暖房対応の床材を選ぶ必要があり、なおかつ無垢材の場合は施工できる業者が限られてしまうなど、設置するには様々な制限があります。

それでも安全に温かい空間を作れるということで、新居を建てる場合には床暖房を導入する家が増えてきます。

床暖房は2種類ある

一般的に床暖房と呼ばれるものは電気ヒーター式温水式の2種類あります。
名前からも分かりますように、電気ヒーター式は電気で床材を温め、温水式は温水で床材を温めてくれます。では、それぞれの特徴について見ていきましょう。

電気ヒーター式

電気ヒーター式は電気を熱源としているため、オール電化住宅に適した暖房方式のひとつです。電気式の床暖房は床材に組み込む発熱体や蓄熱体ごとに、さらに3種類に分類できます。

  • 蓄熱式床暖房
  • PTCヒーター式床暖房
  • 電熱線式床暖房

蓄熱式床暖房は深夜の割安な電気を使って熱を溜め込み、暖房が必要になる日中に放熱させるため、とてもランニングコストに優れています。さらに暖房効率もよいという利点がありますが、細かな温度調整ができないなどの弱点もあります。また初期費用が高いというのも蓄熱式床暖房の特徴のひとつです。

PTCヒーター式床暖房は自動温度調整機能があり、窓からさす太陽の光などで床の一部だけ温度が上がった場合には、その箇所の発熱を抑えることができます。節約を得意とするのがPTCヒーター式と覚えておきましょう。

電熱線式床暖房は電気カーペットと同じように、電熱線を使って床面を温めます。従来から使われてきた方式でとても信頼性が高いことと、初期費用が安いという特徴があります。一方で長時間利用すると電気代が膨れ上がってしまうという欠点もあります。

温水式

温水式は外部で作った温水を使って床を加温する方式の床暖房です。この温水方式は温水を作る熱源の違いによって下記の2種類に分類できます。

  • 温水式電気床暖房
  • 温水式ガス床暖房

温水式電気床暖房は電気によってヒートポンプを稼働させ、空気中の熱を利用して温水を作ります。初期費用が高く、専用のヒートポンプを購入しなくてはいけませんが、ランニングコストが安く、さらには火を使わないので電気ヒーター式同様に安全な暖房として注目されています。

温水式ガス床暖房は、ガス給湯器を使用して温水を作ります。電源を入れるとすぐに床が暖かくなるという特徴があり、とても使い勝手はいいのですが、火を使うため安全面でのリスクが伴う暖房です。また、ランニングコストは高いものの、初期費用はかなり抑えることができます。

この他にも寒冷地向けに灯油で温水を作るタイプのものもあり、地域や家の給湯方法に合わせて最適なものを選ぶ必要があります。

床暖房のメリットとデメリット

床暖房は徐々に普及率が高まっているとはいえ、どこの家にも適した方法であるとは言い切れません。それはメリットだけでなくデメリットもあるためです。導入するときは、このデメリットの部分もきちんと理解しておきましょう。

床暖房にはどのようなメリットとデメリットがあるのか、詳しく説明していきます。

メリット

それではまず、床暖房を設置することでどのようなメリットがあるのかみていきましょう。

乾燥しにくい

冬場にストーブを使うと空気中の水分が蒸発してしまいます。エアコンの冷房の場合は、室内機の冷媒を使って温度を上げる過程で空気から水分が奪われてしまいます。いずれにしても、部屋を温めようとすると、どうしても湿度が下がって部屋が乾燥します。

ところが床暖房は空気を直接温めるわけではないため、部屋の中の湿度が下がることはありません。さらにはエアコンのように対流が起こらないため、皮膚の水分が奪われる機会が少なく、肌の乾燥も回避できます。エアコンから床暖房にすることで、肌水分量が10%多くなるという実験結果もあります。

部屋全体が温まる

一般的に温かい空気というのは高いところに溜まります。エアコンで暖房をするときには扇風機と組み合わせたほうがいいというのは、対流を作ることで暖かい空気が部屋の下部にも流れるようにするためです。

ところが床暖房の場合は、床面を温めますので最も温かい場所が床面になります。このため天井部だけが温まるということを防ぐことができるというわけです。なおかつ床暖房は輻射熱暖房ですので、遠赤外線によって体を芯から温めるという効果も期待できます。

掃除がしやすい

床暖房とエアコンの違いを実感するのは、その温かさよりも掃除のしやすさかもしれません。床暖房の場合は、部屋が乾燥しないだけでなく対流も起こりませんし、埃が舞うということもありません。このため、部屋の掃除も短時間で終わらせることができます。

さらに、エアコンのように時折フィルター掃除をする必要もありません。こまめなメンテナンスが不要というのが床暖房の大きなメリットのひとつです。

空気が汚れない

掃除がしやすいというのと同じような理由ですが、床暖房は室内に空気の対流が起きません。つまり、埃や花粉、ハウスダストなどを撒き散らすことがなくなるため、お子様が喘息持ちだったり、家族に花粉症で悩んでいる方がいる場合は床暖房を導入すると、症状が改善されること場合があります。

さらに、ストーブのように燃焼させるわけではありませんので、部屋の換気も必要ありません。空気がきれいですので、室内を心地良い環境にできるのも、床暖房をおすすめしたいポイントのひとつです。

デメリット

メリットの多い床暖房ですが、もちろんデメリットもあります。導入してから「知らなかった」とならないように、デメリットについてもきちんと把握しておきましょう。

電気代やガス代が高い

床暖房のデメリットとしては、電気代やガス代が高くなるという点が真っ先に挙げられます。地域によって冬の寒さが違いますのでバラツキはありますが、エアコンから床暖房にしたことで、電気代やガス代が大幅にアップします。

しかも効率的に部屋を暖めるには、家全体の断熱性を上げるためのリフォームなども必要になります。もちろん初期費用も決して安くありません。

導入する前には、きちんとランニングコストの計算もしておきましょう。電気代が高いからといって、床暖房を使わなくなる家庭もありますので、電気代やガス代のことまで考慮して導入検討することが大切です。

温まるまでに時間がかかる

エアコンやストーブは電源を入れるとすぐに温かさを感じられますが、床暖房の場合は部屋の温かさを感じるまでにどうしても時間がかかってしまいます。特に冬の寒い日には床が冷え切っているので、さらに温まるのに時間がかかります。

そのようなときは、タイマー機能をうまく活用すれば、朝起きたときなどは寒さを感じることはありません。電気代が気にならないのであれば、24時間スイッチを入れておくという方法もあります。ただ、寒さが厳しい日などは床暖房にこだわらずに、他の暖房器具との併用も考えておきましょう。

カビが生えることがある

家の断熱処理をきちんと行わずに床暖房を導入した場合は、床の裏に結露が発生してそこからカビが生えることがあります。ただし、カビに関しては経験が豊富な施工業者に依頼すれば、きちんと対策もしてもらえますし、アフターフォローも受けられます。

目に見えない場所でカビが発生していますので、心配だという方は1年に1回は床暖房設備と一緒に施工業者に定期点検してもらいましょう。

専用のカーペットが必要

床暖房を使った場合には、原則としてカーペットが使えません。床の温かさが床面とカーペットの間にこもってしまい、部屋を温めてくれないためです。そうはいっても、カーペットを敷けないとなるとペットを飼っている人などはちょっと困りますよね。

そういう方のために床暖房専用のカーペットが売られていますが、わざわざ専用のカーペットを買わなくてはいけませんし、これまで使っていたお気に入りのカーペットやラグなどが使えなくなります。床暖房にするときには、カーペットのこともきちんと頭に入れておきましょう。

床暖房にかかる費用は?

床暖房

メリットやデメリットを把握した上で床暖房を導入しようと決めたら、気になるのはその費用ですよね。床暖房を導入するにはどれくらいの費用がかかるのでしょうか?ここでは床暖房を導入するとき、もしくは修理にかかる費用それぞれについてご紹介します。

床暖房を設置する場合

床暖房の設備は電気床暖房と温水式床暖房とで初期費用が違います。また、施工する部屋の大きさ、メーカーによっても違ってきますので、一概にいくらと言うことはできませんが、12畳の床暖房を導入するときの目安は下記のようになります。

電気床暖房:60万円程度
温水式床暖房:80万円程度

初期費用としては電気式のほうが安くなりますが、ランニングコストを考えたときには電気床暖房の光熱費は温水式床暖房の倍近い金額になるため、長く使うことを考えると温水式床暖房のほうがおすすめです。

また、家の断熱がしっかり出来ていない場合には、いずれの場合にも断熱リフォームが必要になり、さらに費用がかかりますので古い家に住んでいる場合などは注意してください。

修理する場合

床暖房の寿命は30年と言われていますが、使い方によってはそれよりも早い段階で故障することもあります。そのような場合にはいくら必要になるのかみていきまょう。

全体的な交換:100万円
部分的な交換:30万円

全体的な交換を行うときには、既存の床暖房設備を撤去しなくてはいけません。このため、最初に導入するときよりも費用が高くなってしまいます。もし部分的な故障であれば、その箇所を交換するだけで済みますので、費用は比較的安くなりますがそれでも30万円はかかります。

修理する費用がなく、そのまま使わなくなってしまうというケースもありますので、床暖房を導入した場合には、故障することを念頭に置いて修理費用を計画的に積み立てておきましょう。

床暖房は不凍液の交換が必要

温水式床暖房には、水が凍らないように不凍液が使われています。不凍液がないと水が凍ってしまうだけでなく、配管が腐食するなどのトラブルが発生します。ところがこの不凍液は徐々に劣化していきますので、4年ごとに補充をしなくてはいけません。

さらには、導入から10年経過すると不凍液の全交換をすることになります。不凍液の全交換にかかる費用は、床暖房の大きさにもよりますが、一般的には3万~6万円前後かかります。交換しない状態で使い続けると故障の原因になりますので、必ず定められた期間で交換してもらいましょう。

また不凍液の交換は必ず必要になるものですので、こちらも修理費用と同じく毎月一定額をきちんと積み立てておくことが大切になります。

まとめ

床暖房の基礎知識やメリット・デメリット、そして導入や修理にかかる費用を知ることで、具体的に導入のイメージが出来るようになったのではないでしょうか。

床暖房を導入するときには、初期費用ばかり気になりますが、本当に重要なのはランニングコストと修理費用です。床暖房は寿命のある設備ですので、いずれ交換が必要になりますし、光熱費も決して安くありません。

とはいえ、エアコンやヒーターにはない、快適な住空間を手に入れることができるというメリットもあります。オール電化住宅などとも相性がよく、小さいお子さんのいる家庭などでとてもおすすめの設備でもあります。

床暖房の導入でまだ迷っているようでしたら、まずはリフォーム業者に相談することから始めてみましょう。

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