IHクッキングヒーターとガスコンロの仕組み
ライフスタイルも多様化、およびIHクッキングヒーターの普及によって、キッチンリフォームの際に「IHクッキングヒーターとガスコンロのどちらにするか」も、重要な選択肢の一つになりました。 「IHクッキングヒーター」「ガスコンロ」それぞれの特徴・仕組み・コストなどを比較して、ご自宅に最適な設備を選びましょう。
IHクッキングヒーターの仕組み
IHはインダクションヒーティングの略で、日本語だと電磁誘導加熱という意味です。 電力で発生させた磁力線の働きで、接している鍋底を発熱させて加熱調理します。 鍋底が発熱するのでエネルギーのロスがなく、周辺温度も上がりません。
ガスコンロの仕組み
ガスに着火して直火で鍋を熱します。 鍋を置かなくても火がつくので、火から離して炙ることができます。（安全のため五徳から鍋底を浮かせると火が消える機能がついているものもあります）
IHクッキングヒーターとガスコンロのメリット・デメリット
IHクッキングヒーター
メリット
- 直火を使わないので火事の心配が激減します。小さい子供やお年寄りにも安心です。
- 部品を外す必要が無く天板がフラットなので、お掃除がテーブルを拭くように簡単。見た目もスッキリしています。
- 温度管理、タイマー管理ができるので、とろ火の煮込み料理が楽にできます。
- 吹きこぼれや焦げ付きの心配が少ないので、鍋やフライパンの汚れが少なくて洗い物も楽です。
- 加熱調理をしていない時は調理台として物を置いたりできて調理スペースとして使えます。
デメリット
- 使える鍋やフライパン、やかんなどの調理器具がIH対応のものに限定されます。また、IH対応調理器具は総じて重いものが多く、調理器具によっては熱の伝わり方にムラが出てしまうこともあります。
- 電磁波が体に及ぼす影響を心配する声も聞かれます。因果関係はまだはっきりしていませんが、特に心臓ペースメーカーを装着している人は主治医に一度聞いてみたほうがいいかもしれません。
- チャーハンなど、鍋全体を火で覆ってあおるような料理の仕方ができません。（火力的には遜色ない機種もあります）
ガスコンロ
メリット
- 火の大きさが目で確認できて直感的に火力がわかるので、火力の調整が感覚的で容易です。
- 調理器具がある程度自由に使えて、大きな火でフライパンをあおったり、火から離して炙ったり、焼き目をつける料理が作りやすいです。
- 点火してから鍋が温まる時間が早いので、炒めものなど鍋を加熱してから材料を入れる料理の際にすぐに調理が始められます。
デメリット
- 器具が複雑でお掃除がちょっと面倒です。調理直後は五徳などが熱くなっているので使ってすぐには拭き掃除ができません。
- 火災や、吹きこぼれ、立ち消えによるガス漏れの心配があり、火が点いている間は目が離せません。
- 火をつけることによって周囲の温度が上昇するので、夏などはキッチン全体が暑くなります。
IHクッキングヒーターとガスコンロのコスト比較
イニシャルコストの比較
イニシャルコスト(機器の価格）を比べるとIHクッキングヒーターの方がガスコンロに比べて高価です。
ランニングコストの比較
ランニングコスト(電気代・ガス代)はメニューや調理法によって違いますが、ガスの方が安いようです。 ただしプロパンガスの場合はプロパン代が都市ガスに比べて割高な場合もあります。
電気の場合は深夜や早朝に電気代が安くなる電力会社のプランを選んだり、太陽光発電やオール電化をうまく使うなどで節約できる余地があります。
IHクッキングヒーターとガスコンロをエコ目線で比較
トータルでエコを考える
ガスは火を燃やすので当然ながら二酸化炭素(CO2)を出します。 ですからIHクッキングヒーターの方がエコだと思われがちですが、電気も送電の際にCO2を出していますので、どちらがエコかの断定は一概にはいえません。 IHクッキングヒーターVSガスコンロ、エコの観点からでは比較は難しそうです。
IHクッキングヒーターとガスコンロをグリル機能で比較
それぞれ一長一短があるIHクッキングヒーターとガスコンロですが、最近の特徴として両者ともグリル部分を充実させています。
昔は魚を焼くときくらいしか使わなかったグリルですが、今はオーブン代わりに使ってパンを焼いたり、ノンオイル料理ができたり、また専用のダッチオーブン(蓋付きの鉄鍋）が選べたり、遠赤外線調理ができたりと、両者ともにその用途は信じられないくらいに広がり便利になっています。
IHクッキングヒーターのグリルの特徴
以前はグリル部分のみIHではなく電熱ヒーターを使うものがほとんどでしたが、グリルにもIHヒーターを使用した機種も出ています。 温度管理が容易で比較的大容量なのが特徴です。
ガスコンロのグリルの特徴
IHに比べ庫内温度が高く火力が強いので高温でジューシーに焼きたい料理に適しています。 両面バーナーならさらに短時間でパリっと焼きあがります。
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