ソーラーパネルの重量が屋根に与える影響
太陽光発電システムを導入するときに考えなくてはいけないことは、ソーラーパネルの重みに屋根が耐えられるかということです。
ソーラーパネルとそれらを支えるための架台は、1kWあたり100kgといわれています。
日本の住宅向けのソーラーパネルの出力は平均3.5kWですので、おおよそ350kgの重さが屋根にかかることになります。
これだけの重さが屋根にかかると思うと、家の柱がその重さに耐えることができるのか、不安になるかと思います。
しっかり設置できて安定しているようでも、地震などが発生すると思うと、耐震補強もしなくてはいけないように思えてきます。
実際に太陽光発電システムを販売しているメーカーは独自の設置基準を設けています。
設置する場所の高さや、基準風速、積雪の高さなど、その基準から外れている場合は、トラブルが発生したときの保証を受けることができません。
ただし、しっかりとした強度のある家の屋根にソーラーパネルを乗せたところで、屋根が壊れるというようなことはまずありえません。
実際に東日本大震災が発生したときも、ソーラーパネルが載っていたことで壊れたという事例はありませんでした。
むしろソーラーパネルが補強材となって屋根を守ったのではないかという説もあります。
太陽光発電のソーラーパネルは、その重さによって屋根に小さくない負荷をかけますが、そのソーラーパネルの架台が補強部材となって屋根を守っているため、大きな地震が発生しても、ソーラーパネルが原因で家が壊れるというようなことは、それほど心配する必要はありません。
耐震診断の必要性
参考:http://taiyoseikatsu.com/faq/faq091.html
それではどんな屋根でも大丈夫かと言うと、そういう訳でもありません。
ソーラーパネルを設置している家が、地震でも他の家と同等の強度を示したのは、設置前にきちんとした耐震診断を受けて、必要に応じて耐震補強を行った結果でもあります。
優良な施工業者の場合は、絶対に安全であることを確認した上で施工しますので、想定内の地震で屋根が壊れるというようなことはそうそう起こることではありません。
耐震診断はなぜ必要?
それではなぜ耐震診断が必要なのでしょう?
これは現行の建築基準法に適合していない、古い家がまだまだたくさんあるためです。
建築基準法は平成19年に改正され、それ以降に作られた家は十分な耐震強度があります。
ところが、それ以前に作られた家は強度が弱く、しかも屋根に物を載せることを想定せずに設計されているため、ソーラーパネルの重さに耐えられない可能性があります。
もちろん新しい家だからといって、耐震診断を行わなくてもいいということではありません。
比較的新しい家でも、家の建物のそのものは時間とともに劣化していきます。
建てられたときには十分な強度があったとしても、すでに老朽化が始まり、地震などの自然災害に耐えきれなくなっている可能性があります。
屋根や家の柱の強度計算は、あくまでも家を建てたばかりで、部材の強度が十分にあることを想定して計算されています。
ですので、どんな家であれ、ソーラーパネルを設置するときには、きちんと耐震診断を受けておく必要があります。
耐震診断はどこで受けることができる?
耐震診断が必要だとわかってはいるものの、どこに依頼すべきかわからないという人は、自治体の住宅・建築を担当している窓口に相談してみましょう。
自治体によっては無料で診断を受けることもでき、有料であっても信頼できる建築事務所とのつながりがありますので、精度の高い耐震診断を受けることができます。
耐震診断でNGになったときの対処法
耐震診断によって耐震等級が1に満たないとされた場合は、建築基準法で定められた強度以下ということになり、ソーラーパネルを設置することができません。
1981年以前に建てられた家は、耐震等級が1であっても100%安全というわけではありません。
この場合は耐震補強のための工事を行った上でのソーラーパネル設置になります。
いずれにしても、太陽光発電システムを安全に導入するには、耐震強度がきちんと備わっていることの確認は必須です。
耐震診断の結果、強度不足となってしまった場合は、太陽光発電システムの導入を諦めるか、十分な耐震補強を行った上で設置するようにしましょう。
場合によっては設置するソーラーパネルを小さいものにするなどの対処も必要になります。
理論上はソーラーパネルを設置したくらいで、家の屋根が壊れるというようなことはまずありませんが、古い家の場合は計算だけで建物の強度を確認することはできません。
このため設置の可否を決める施工業者選びはとても重要です。
経験豊富で、無理やりソーラーパネルを設置させようとするのではなく、親身になって相談に乗ってくれる施工業者に耐震診断をしてもらいましょう。
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