2017年12月12日

オフィス選びで確認すべき空調の種類と特徴

オフィスの空調は、快適な空間を作るためには必要不可欠なものです。事業内容や勤務形態に合う種類を選ぶことで、環境づくりにより役立ちますが、電気料金を抑えることも可能です。オフィスで使われる2種類の空調の特徴についてご紹介します。

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オフィスで空調が重要になる理由


温度や湿度はオフィスの快適性を左右します。寒過ぎたり暑過ぎる環境では、業務に集中できなくて支障をきたします。 事務所衛生安全基準規則でオフィス内の温度は17℃以上28℃以下、湿度は40%以上70%以下にすることが推奨されていますが、この範囲内に収まっていても快適に感じられない場合もあります。

そこで、適切な温度・湿度をコントロールしオフィスの環境を快適にするためには、空調を上手に利用する必要があります。 温度が適切ならば快適な環境をつくれるかというとそういうわけではありません。直接空調からの風が当たってしまうと寒く感じたり、常に風を受け続けることによる不快感が生じます。 空調は、風向きにも気を配らなければなりません。

また、オフィスでは照明やOA機器などで電力を消費しますが、全消費電力の5割を空調が占めています。 従って、空調の消費電力を抑えることは電気料金の節約につながります。 効率の良い空調を設置することはもちろん、オフィス内の環境を整えることも空調効率を高め、消費電力を抑えることにつながります。

例えば、デザイン性の高いオフィスの内装の中にはコンクリート打ちっ放しの壁を採用していることがあります。 このような場合、保温性のある内装材を使用していないために空調効率が落ちてしまいます。 内装デザインに強くこだわらないのであれば、内装材を使用する環境の方が空調効率が良くなるのでおすすめです。

暑くなると空調の効きが悪いと感じる場合、直射日光の影響で暑く感じている可能性があります。直射日光を避けるフィルムを窓に貼ったり、直射日光を避ける特殊なガラスなどを取り付けてくれるビルもありますが、窓に対策を施すことが難しければ、日光が当たらない所にデスクを配置するといった工夫が必要です。外の影響を受けない環境づくりも、効率的に空調を運転させる上で大切です。

オフィスの空調の種類

オフィスを快適な環境にするだけでなく、オフィス全体の消費電力の半分を空調が占めることから、電気料金の節約を考えると、空調選びは重要と言えます。 オフィスで使用されている空調には「個別空調」「セントラル空調」があります。まず初めに、それぞれの特徴を見ていきましょう。

個別空調

個別空調は、エリアごとに温度調整可能で、使用したいエリアでのみ使用できるのが特徴です。 冷暖房の切り替えも自由に行えます。業務の都合に合わせて空調をコントロールできるため、残業や土日出勤の際も空調を稼働させることができます。

個別空調は稼働させた分だけ電気料金が発生するため、省エネに努めれば電気料金を抑えることが可能ではありますが、室外機を共同使用している場合は電気料金が按分されることがあります。

大規模なビルでは設計の関係で個別空調を設置できないことがあるため、希望の物件が見つかりにくいというデメリットがあります。

セントラル空調

ビル内の空調機器から天井のダクトや水道管などを通じてビル全体に空調を効かせるのがセントラル空調です。 専門家が空調をコントロールしてくれるおかげで、温度や湿度を適切な状態に保つことが可能です。

ダクト方式を採用していれば、空調の吹き出し口の増設を容易に行えるため、空調を増設する際には費用を抑えることが可能です。 管理会社によって運転時間が決められるため、電気料金が固定されており、電気使用量を心配する必要はありません。

ただし、時間外の使用は事前申請が必要となったり特別料金が加算されるため、注意が必要です。 また、エリアごとに温度の調整や冷暖房の切り替えを行えないため、各部屋ごとに空調を調整できないデメリットがあります。 しかし、セントラル空調でも部屋ごとに温度調整可能なものもありますので、ビルの空調の特徴を確認してみてください。

電気料金から見る個別空調とセントラル空調の違い

オフィスで使われる個別空調とセントラル空調の特徴を比較すると、それぞれメリットもデメリットが異なることが分かりました。 それでは、電気料金を比較すると両者にはどのような違いがあるのでしょうか。

空調の使用時間が短ければ個別空調の方が電気料金は抑えられます。 しかし、誰も使用していない部屋の空調を消し忘れてしまうなど、余計な運転が増えてしまえば電気料金は高くなります。

セントラル空調であれば、使用する機会が少ないと割高になってしまいますが、万一空調を消し忘れても電気料金が加算されることがないという安心感があります。

使用状況によってどちらがお得になるかは変わります。空調技術の進歩の結果、新しい空調機器の省エネ効率が古い機器に比べて改善しているため新しい空調の方が電気料金が安くなります。

空調の種類の選び方

個別空調を選んでもセントラル空調を選んでも、デメリットは避けられません。 しかし、同じ製造年の個別空調とセントラル空調では、使用状況が電気料金を左右しますので、電気料金を抑えることに着目してみると、どちらを選ぶべきか見えてきます。

空調の種類を選ぶ際には、事業内容や勤務形態を考慮することが大切です。 土日祝日が休みで9:00~18:00といった一般的な勤務時間がメインであれば、セントラル空調がおすすめです。 使用上のルールを厳格にしなくても電気料金が上がる心配がありません。

土日や祝日、早朝や深夜も勤務が発生する形態であれば24時間使用可能な個別空調がおすすめです。 セントラル空調の場合、時間外に使用するのに事前申請の手間がかかり特別料金が加算されます。これでは、固定料金のメリットがありません。

部署によって勤務時間が異なる場合や、常に一定の温度以下を保たなくてはいけないといった特殊な室温が要求される場合も個別空調が適しています。

まとめ

オフィスの空調の特徴についてご紹介しました。温度や湿度はオフィスの快適性に関わる要因ですので、空調で適度な温度や湿度を保つことが重要です。 オフィスを快適な環境にする空調ではありますが、オフィス内全体の消費電力のおよそ5割を空調が占めていることから、電気料金の節約には空調選びには慎重にならなくてはなりません。

オフィスの空調には個別空調セントラル空調が採用されています。 個別空調はエリアごとに温度や冷暖房の切り替えが可能で、いつでも使用可能ですが、大規模なビルでは設置が難しいです。

セントラル空調は決められた時間内の使用であれば電気料金は固定されますが、時間外に使用する場合は事前申請が必要であったり、料金が加算されます。また、専門家が空調をコントロールしてくれるおかげで温度や湿度が適切な状態を保てますが、従業員自身で温度調節や冷暖房の切り替えを行えないことが多いため、空調の設定を快適に感じられなければ、作業効率が低下する恐れがあります。

以上の特徴から、土日祝日が休みで早朝勤務や残業がほとんどないオフィスの場合セントラル空調、勤務時間に幅があったり、室温を一定に保つ必要がある場合は個別空調が電気料金を抑えるのに有効と言えます。 オフィスの事業内容や勤務形態と相性の良い空調を選びましょう。

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