地球温暖化や環境保全の観点で太陽光エネルギーへの関心が高まっています。
世界経済フォーラムの報告書によると、2020年ごろまでに世界の約3分の2の国々において、太陽光発電の発電コストが石炭火力発電より低くなると予測されています。
また、電力買取制度や補助金など、国・自治体の自然エネルギー導入のための各種サポート制度もあり、現在太陽光発電の導入を検討されている方が増えていますが、「みんなどのように導入しているのだろう」「費用対効果はどれくらいなのだろう」と不安に思っている方も多いのではないでしょうか。
今回は
太陽光発電を実際に導入した950人に、意外に知られていない太陽光発電の実態を調査しました。
Question 1
現在お使いの太陽光発電メーカーの満足度を教えてください。
メーカー別の満足度(「大変満足」「満足」の割合)では、
東芝が1位を獲得し、2位
京セラ、3位
パナソニックがBEST3で、以下4位
シャープ、5位
三菱電機と続きます。
東芝、パナソニックなど
発電効率が良いとされる国産メーカーが満足度上位にランクインしています。
海外メーカーの太陽光パネルは価格が安く、国産メーカーのパネルと比べて初期導入費用を抑えられますが、発電効率は劣ると言われています。海外メーカーのパネルの場合、大きな屋根に大容量の太陽光パネルを載せることができればメリットが大きいと予想されますが、日本の一般住宅の屋根に大容量パネルを載せられるケースがそれほど多くなく、パネルの価格よりも、発電効率の高い国産メーカーのパネルの満足度が高い結果となっているのかもしれません。
日照時間が発電量に影響しますが、今回アンケートにご協力して頂いた方のお住いのエリアは、関東地方が34%、近畿地方が17%、東海エリアが13%、北海道・東北エリアが12%、九州・沖縄エリアが10%、中国・四国地方が9%、北陸・北信越エリアが5%でした。
今回は最近5年以内に太陽光発電を導入した、戸建て住宅にお住まいの25歳以上の方に950名にご協力して頂きました。男性が63%、女性が37%という内訳です。
Question 2
太陽光発電の購入先を教えてください。
太陽光発電の購入先は、
リフォーム専門店が最も多いという結果になりました。
インターネットで格安に太陽光パネルの販売・設置を手掛ける会社も増えていますが、リフォーム専門店、家電量販店、ホームセンターを合わせると、53%の方が
自宅の近くのお店や拠点に足を運んで購入していると言えます。
Question 3
実際に見積りを取った会社数を教えてください。
複数の施工業者から見積りを取る方が54%という結果に!
見積りは1社のみといった方が46%という結果でした。
その一方で、2社以上から
相見積りを取る方が54%です。太陽光発電は100万円以上の買い物かつ10年以上使うものですから、
複数の施工業者から見積りを取って、慎重に決める方が多いようです。
Question 4
太陽光発電の導入にかかった初期費用を教えてください。
初期費用が180万円以上といった方は、53%でした。
太陽光発電に関連する制度は毎年見直しがあり、導入時期によって
補助金の有無などで初期費用は変わってきます。
200万円以上かかっている方は、国や自治体からの導入後の補助金を踏まえて、導入をされたのかもしれません。
Question 5
ご自宅の屋根への、太陽光パネルの搭載量をおしえてください。
パネルの搭載量は、4kw~5kw未満という方が45%、4kw未満という方が30%という結果になりました。
今回の調査では、
発電量5kw未満のパネルを導入される家庭が大半を占めました。
Question 6
太陽光発電の導入前は、初期費用の回収期間は何年を見込んでいましたか。
太陽光発電の導入を検討する際、
10年で初期費用を回収できるように考えていた方が74%です。
導入にかかる初期費用や、売電収入などを考えて、
10年ほどで回収したいと考える方が一般的なようです。
Question 7
月々の売電収入を教えてください。
月々の売電収入が10,000円未満という方が53%でした。
一方で
10,000円以上の収入を得ているという方も47%いらっしゃるようです。
Question 8
太陽光発電システムの導入後、実際に初期費用を回収するのに何年かかる見込みですか。
実際に太陽光発電を導入した後で、10年で初期費用を回収できると答えた方は44%でした。Question6の導入前のシミュレーションでは、10年回収とされた方は74%でした。
導入前のシュミレーションより、実際に導入して回収に期間が多くかかっている方も多いようです。
Question 9
太陽光発電を導入して満足している点・不満な点を教えてください。
- 「売電単価が高い時期に購入の為 収入に満足している。売電の為極力無駄な電力を使わないようにしている。」(30代男性 関東)
- 「発電量と使用電気料が分かるので 節電の意識が高まる」。(30代女性 関東)
- 「売電収入がある上に 電気料金が下がったこと。 環境に貢献しているという満足感もある。」(40代男性 東海)
- 「 年間の消費電力が約200kw削減され、 売電で月に約5000円程の収入がある事。」(40代男性 近畿)
- 「 日々の発電量が目に見えて分かるため、家の切電にも努める様になり、結果として売電収入以外に節約で幾分家計が助かった点。」(40代男性 関東)
- 「導入時に今後の環境やエネルギー問題を考えたら、太陽光発電をすべきだと考えたため導入した。実際に太陽光発電の面以外でも 省エネを実践できている。」(50代男性 関東)
- 「当初 計画した通りの収入を手間をかけずに得ることができていること。」(40代男性 東海)
- 「 数値で成果がわかるので節電、エコに関心をもつようになり、節約になっている点。」(30代女性 関東)
- 「パナソニックのモジュールは 発電効率が高いため、 狭い屋根でもしっかり電力確保してくれる。」(40代男性 関東)
- 「 太陽光発電に加えてオール電化も導入し、深夜電力のおかげで光熱費が非常に浮いている。」(50代男性 東海)
- 「 天気が悪いと発電効率が落ちてしまうところ。」(30代女性 関東)
- 「見積通りに 設置費用を回収できるか、非常に不安。」(30代女性 関東)
- 「光の反射で 近所の人に迷惑をかけていないか不安になるところ。」(30代女性 近畿)
- 「日照時間が短く、思ったほどの 電力を発電できていない。」(50代男性 九州)
- 「今後は メンテナンスや交換が必要になってくると思うと心配。」(40代女性 中国)
- 「梅雨の時期など、天気が悪いときにかなり 発電量が落ちるところ。」(30代女性 中国)
- 「天候が不安定で日差しがでない 冬場が不満です。特に東北地方の冬場は雪が降ることが多く、発電量が下がってしまいます。(20代女性 東北)
- 「導入当初より 電気の買取価格が下がってきていること。」(40代女性 中国)
- 「屋根においてある ソーラーパネルの見栄えが良くない。」(30代女性 中国)
- 「 屋根のメンテナンスがしにくくなったところ。」(30代女性 近畿)
太陽光発電について、想像以上に皆さんいろいろ好みがありますね。
毎年4月に余剰電力の売電や補助金などの各種制度が発表されますが、この機会に太陽光発電のリフォームを考え始めてみるのもよいのではないでしょうか?
調査目的 : 太陽光発電の満足度調査(メーカー満足度)
調査期間 : 2017年1月初旬
公開日 : 2017年1月19日
調査対象 : 過去5年以内で一般住宅に太陽光発電を導入された950人
調査方法 : インターネットリサーチ